【ニュース】 岡山県、繊維の産地「倉敷市」と、やきものの産地「備前市等」、2つのストーリーが日本遺産に認定 岡山県倉敷市
2017.05.02
岡山県は4月28日、倉敷市と備前市等が文化庁に申請していた2つのストーリーが、平成29年度の日本遺産に認定されたと発表した。
「日本遺産」は、文化庁が地域の歴史的魅力や特色を通じて日本の文化・伝統を語るストーリーを認定するもの。
27年度からスタートし、過去37件が認定、29年度は新たに17件が追加された。
今回同県で認定されたのは、倉敷市「一輪の綿花から始まる倉敷物語~和と洋が織りなす繊維のまち~」と、備前市などの「きっと恋する六古窯-日本生まれ日本育ちのやきもの産地-」。
400年前まで一面の海だった倉敷周辺は、近世からの干拓により、人々の暮らしの場を広げた場所。
そこで栽培された綿やイ草は織物の生産を支え、明治以降、西欧の技術を取り入れて開花した繊維産業は、「和」の伝統と「洋」の技術を融合させながら発展を続けてきた。
現在、倉敷は年間出荷額日本一の「繊維のまち」となっている。
また倉敷では、広大な干拓地の富を背景に生まれた江戸期の白壁商家群の中に、近代以降、紡績により町を牽引した人々が建てた洋風建築も混ざり、発展のシンボルとして風景にアクセントを加えているという。
一方、瀬戸・越前・常滑・信楽・丹波・備前のやきものは、「日本六古窯」と呼ばれ、縄文から続く日本生まれ・日本育ちの生粋のやきもの産地。
中世から今も連綿とやきものづくりが続くまちは、丘陵地に残る大小様々の窯跡や工房へ続く細い坂道が迷路のように入り組んでおり、時空を超えてセピア調の日本の原風景に出合うことができるとしている。