【ニュース】 鹿島と狛江市、「狛江版 CSA」が国土交通省「集約型都市形成のための計画的な緑地環境形成実証調査」に採択 東京都狛江市
2015.11.10
鹿島建設株式会社(東京都港区、押味至一社長)と狛江市(高橋都彦市長)は、国土交通省の「集約型都市形成のための計画的な緑地環境形成実証調査」に対し、「循環型まちづくりのための農空間の活用方法に関する実証調査~狛江版 CSA~」を提案、このほど採択されたと発表した。
両者は狛江版CSA発足準備協議会を立ち上げており、来年2月までの予定で、狛江市内で都市農業モデルの実証試験を行う。
CSA(地域が支える農業/Community Supported Agriculture)の取組みは、欧米を中心に、消費者が地場の生産物を定期的に直接購入し、地域の農業を支援するシステムとして拡大してきた。
最近では、生産物の売買だけでなく農作業の手伝いなどを通じ、生産者と周辺のコミュニティを結びつけ、より強固な関係を築く取組みが試みられているという。
両者は、東京都区部に隣接する狛江市をフィールドとし、市内の農業従事者、飲食店、学校等の協力の下、食品残渣の循環利用や農地・公園の循環型維持管理を試験的に実施している。
今回採択された実証調査は、農地や農業を循環型まちづくりに活用す
る、狛江オリジナルのCSAを提案するものだという。
実証試験では、「循環型の農業」「環境負荷を低減する農業」「地域に支えられた農業」をコンセプトに、主に「ミミズコンポスト」「コーヒー滓ヒラタケ栽培」「ヒツジ除草」の3つの取り組みを通じ、狛江市民と農業従事者をつなぐ新しい仕組みづくりを行っていくとしている。
このうち、「ミミズコンポスト」では、畑から発生する雑草や野菜屑のほ
か、市内のレストランの調理屑も処理、7月の試験開始以来3か月間で約200kgの生ごみを処理した。
「コーヒー滓ヒラタケ栽培」では、市内の珈琲専門店とレストランから毎週コーヒー滓を回収し、一定期間消毒した後にそれを培地としてヒラタケを栽培。
7月に開始した「ヒツジ除草」では、3頭の雌のヒツジが市内のブルーベリー観光農園をベース基地に、市内の公園や駅前広場、神社の除草管理に貢献しているという。
今後は、「ヒツジ除草」は10月中旬まで、「ミミズコンポスト」と「コーヒー滓ヒラタケ」は2016年2月まで試験を継続する予定。
2016年2月7日には、同協議会が開催する最終報告会を一般公開する予定としている。