【ニュース】 いもと建築、飛騨の大工・宮大工による「手刻み加工」代行サービスを開始、高付加価値住宅を提案 岐阜県高山市
2015.07.28
伝統建築や社寺建築を手がける有限会社いもと建築(岐阜県高山市、井本雅弘代表)は7月27日、木造住宅の構造材の「手刻み加工」を代行する新サービス「プレミアム構造パッケージ」を開始した。
木材の仕入・手刻み加工・運搬・上棟サポートの一貫したサービスを、全国の建築業者や設計事務所、施主向けに提供する。
建築の現場では現在、「プレカット加工(専用の機械での自動的加工)」が約9割を占める中、大工職人が木材のクセをみながら一本ずつ手作業で加工する「手刻み加工」が可能な業者は減少傾向。
今回提供を開始した同サービスは、「飛騨の匠」とも呼ばれる高い技量を持った飛騨の大工・宮大工が、「手刻み加工」を代行する唯一のサービスだという。
同社が所在する飛騨高山は、冬は大雪に見舞われ、屋外作業が困難となり、仕事量が減少する地域。
手刻み代行は屋内(自社工場)で作業できるため、仕事量の安定的確保が期待できるとしている。
また、昨今の外国人観光客の増加や古民家再生への注目により、日本の伝統工法や伝統技術が国内外から見直されている一方、技術者の高齢化や後継者不足が深刻化、手刻み加工の希少性はますます高まっているという。
「プレミアム構造パッケージ」では、住宅業界の成熟化に伴い、他社との差別化が難しくなっている建築業者各社をターゲットに、商品(住宅)の新しい付加価値として「飛騨の大工・宮大工による手刻み加工」を提案する。
加工を担当する大工職人を厳選し、受注件数を制限(当面は年間10件程度)することで、高品質・高付加価値な構造材を提供するという。
また構造材には、JASの強度等級認定を取得した良質な木材を使用、価格についても、面積単価ではなく、構造材の本数や必要な加工手間を細かく算出し、適正な価格で提供するとしている。