【ニュース】 日本国際民間協力会など、東日本大震災の被災者支援で陸上いけす施設を建設、活魚の直接販売を支援 宮城県気仙沼市
2014.05.26
公益社団法人日本国際民間協力会(NICCO、京都市中京区、小野了代理事長)は、気仙沼や陸前高田の漁師から買い取った活魚を一時保管し、首都圏や仙台圏に直接販売を行うための陸上いけす施設「アル フルザ」(宮城県気仙沼市)を建設した。
これにより、消費者と漁師らをつなぐ「いけす」を活用した直接販売が可能になったという。
NICCOでは、地元のニーズを受け、中東カタール国の震災復興支援基金「カタールフレンド基金(QFF)」より約1億6,000万円の助成を受け、同施設を完成。
施設は今後、地元漁業関係者が立ち上げた有限責任事業組合「Fish Market 38(FM38)」が運営する。
復興庁によると、被災した宮城県・岩手県・福島県の2013年の漁獲量は、震災前の2010年の7割程度まで回復、水産加工施設も約8割が業務を再開しているという。
漁船の復旧や漁業従事者の事業再開が進んだ今、震災により失われた販路の確保、新販路の開拓による売上回復が課題となっている。
こうした中、地元漁業関係者による新たな流通開拓への取り組みでは、水産業の売上回復に向け、生産者と販売者が直結し、飲食店や鮮魚店、インターネット通販を通じて消費者へ新鮮な魚を提供する直接販売への期待が高まっているという。
直接販売では、漁師らが水揚げした魚種を一定量集め販売することで、これまで小ロットのため魚市場に出せず、自家消費に回っていた魚の有効活用が可能となるとしている。
同施設では、完成と本格稼働を祝うオープニング・セレモニーを5月25日に開催。
同セレモニーには、ユセフ・モハメド・ビラール駐日カタール国特命全権大使、菅原茂気仙沼市長らも出席し、施設内の見学や、同施設で開発されたサンマやサメ肉を使用した加工品の試食も実施したという。