【ニュース】 東芝グループと中部電力グループ、「(仮称)中尾地熱発電所」の建設を決定、温泉事業と地熱発電事業が共存・共栄 岐阜県高山市

2020.05.14
東芝エネルギーシステムズ株式会社(川崎市幸区、畠澤守社長)と中部電力グループの株式会社シーエナジー(名古屋市東区、佐古直樹社長)が共同で出資する中尾地熱発電株式会社(岐阜県高山市、中谷哲也代表)はこのほど、「(仮称)中尾地熱発電所」(岐阜県高山市)の建設を決定した。
地熱発電事業での建設決定は、東芝グループ、中部電力グループ両者にとって初となる。

同地熱発電所が立地する奥飛騨温泉郷中尾地区は、源泉の蒸気量が豊富で地熱発電に適した地域。
中尾地熱発電では、温泉地域と共生した地熱エネルギーの活用を目指して設立以来、地熱資源と周辺環境の調査、地熱発電の事業性の評価を行ってきた。
今回、事業化の目処が立ったことから、地熱発電所の建設を正式に決定した。
建設工事開始は2020年9月、運転開始は2021年度下期の予定。

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今回建設する「(仮称)中尾地熱発電所」は、中部地区では初となるフラッシュ方式(蒸気発電方式)を採用した地熱発電所。
出力は最大1,998kWで、約4,000世帯分の発電を行い、全量を中部電力パワーグリッド株式会社へ売電する。

発電方式では、地下から噴出される高圧蒸気と、それと共に噴出される熱水を減圧沸騰させた低圧蒸気の2種類の蒸気を、蒸気タービンに導いて発電するダブル・フラッシュ方式を採用。
ダブル・フラッシュ方式は、一般的なシングル・フラッシュ方式と比較して約20%効率が高く、同方式を採用する発電所としては世界最小規模(東芝エネルギーシステムズ調べ)となる。

また、噴出された熱水は地熱発電に活用するとともに、地元温泉事業者の有限会社中尾温泉へ配湯する計画としており、温泉事業と地熱発電事業が共存・共栄していくシステムを構築するという。