【ニュース】 旅館8軒を展開する佳松苑グループ、「アウルキッチンアカデミー」を2020年4月に創設、教育指導を「見える化」し若手和食職人を育成 京都府京丹後市

2019.09.10
佳松苑グループとして8軒の宿を展開する株式会社アウルコーポレーション(京都府京丹後市、沖田康彦代表・沖田繁子代表)は、「アウルキッチンアカデミー」を2020年4月に創設する。

同アカデミーは、旅館業界での若手和食職人の育成や人材確保、教育指導の「見える化」を主な目的としたもの。
実践的な技術、知識を職業経験を通じて体得してもらうほか、また和食について広く学んでもらい、2年後には国家試験「調理師免許」取得を目指してもらうとしている。

和食は2013年、「日本人の伝統的食文化」としてユネスコの無形文化遺産に登録されたが、「和食を極める」という職人への道のりは険しく、また昔からの教育方法「技は盗んで覚える」スタイルは、現代の若者が望む指導方法との間にミスマッチが生じているという。

同グループでは、京都府北部の夕日ヶ浦温泉を中心に、「佳松苑」「風香」「雨情草庵」「一望館」「はなれ櫂」「みなと悠悠」「小さな白い花」「円山川ひだまり」の8軒の宿を運営。
業界の動向と同様、若手の料理人の離職と人手不足に悩まされてきた。

今回創設する同アカデミーでは、こうした状況の中、指導方法や教育過程を分かりやすくし、仕事を通じて体系的に学べる場所を作り、職人の育成を図る。
専門学校とは異なり、学費を払う必要は無いが、社会人として収入を得ながら学ぶことができるため、一定の責任が生じるものの、実践で培った実務経験は必ず役に立つとしている。

将来的には、洋食部門・おもてなし部門・生け花など分野を広げ、講師の招へいも行い、スタッフのレベルアップを狙う。
また、時には公開アカデミーとして、地域住民にも花嫁修業や料理の基礎勉強ができる場所として公開するという。

なお同アカデミーでは現在、予定地の工事(10月1日竣工予定)・整備を進めながら、生徒を募集している。