【ニュース】 ヤマト運輸、豊田市・豊栄交通と連携し、全国初のコミュニティバスによる「客貨混載」を本格運用 愛知県豊田市
2018.01.29
ヤマトホールディングス傘下のヤマト運輸株式会社(東京都中央区、長尾裕社長)は、豊田市・豊栄交通株式会社(愛知県豊田市、境政義社長)と連携、1月26日より、足助(あすけ)地区と稲武(いなぶ)地区を結ぶコミュニティバス「とよたおいでんバス」で「客貨混載」の本格運用を開始した。
ヤマト運輸では、全国の自治体や企業と連携し、地域の活性化や課題解決に向けて取り組む「プロジェクトG(Government)」を推進しており、その一環で路線バスによる「客貨混載」を8都道府県で実施している。
豊田市の稲武地区など中山間地域では、通学や通院、買い物などで路線バスの重要性が高まっているが、高齢化や過疎化でバス路線の維持が困難になりつつあるという。
こうした中、ヤマト運輸では、昨年7月1日より中部運輸局が開始した「みんなの交通応援プロジェクト Ex」に参加、その支援認定の第1号として、昨年8月9日より同市が運営し豊栄交通が運行するコミュニティバス「とよたおいでんバス稲武・足柄線」で客貨混載の実証実験を実施した。
コミュニティバスを活用した「客貨混載」の本格運用は全国初となる。
同取り組みでは、バスの座席の一部を荷台スペースに改造した車両1台を導入し、足助地区から稲武地区まで宅急便を輸送する。
バスには、客貨混載専用のバスと分るようにオリジナルデザインをあしらった。
同取り組みにより地域住民は交通手段が維持されることにより、生活基盤が保たれるほか、セールスドライバーが現地に滞在できる時間が増えることで、様々な要望に対応しやすくなる。
一方、豊栄交通は新たな収入源になり、バス路線網の維持に繋がるほか、ヤマト運輸も往復90分の走行時間を削減、セールスドライバーの集配効率が向上し、休憩時間が取りやすくなるなど、労働環境の改善も見込まれるほか、燃料費やCO2排出量の削減にも繋がるとしている。
今後は、見守り支援や買い物支援も検討し、地域課題の解決と地域活性化に取り組んでいくという。