【ニュース】 全但バスとヤマト運輸、豊岡市内を結ぶ路線バスで「客貨混載」を開始、バス路線の維持と物流の効率化により生活サービスを向上 兵庫県豊岡市

2017.06.23
全但バス株式会社(兵庫県養父市、桐山徹郎社長)とヤマトホールディングス傘下のヤマト運輸株式会社(東京都中央区、長尾裕社長)は6月22日、兵庫県北部の豊岡市内(江原地区~神鍋高原地区)を結ぶ路線バスで「客貨混載」を開始、同日に全但バス江原営業所で出発式を実施した。
過疎化や高齢化が進む中山間地域におけるバス路線網の維持と、物流の効率化による地域住民の生活サービス向上が目的。

山林に囲まれる神鍋高原地区は、年々人口が減少し、高齢化率が約27.8%になるなど、県内でも特に過疎化や高齢化が進んでおり、高齢者の移動手段となるバス路線網の維持や物流の効率化による地域住民への生活サービス向上が課題となっていた地域。
一方ヤマト運輸は、全国の自治体や企業と連携し、地域の活性化や課題解決に向けてさまざまな取り組みを行う「プロジェクトG
(Government)」を推進している。
路線バスによる「客貨混載」は、4道県で開始しているという。

今回の取り組みでは、宅急便を輸送するため、中央部に荷台スペースを確保した路線バスを1台導入。
客貨混載専用のバスと分るようにオリジナルデザインをラッピングした。

運行する「客貨混載」バスでは、ヤマト運輸のセールスドライバーが神鍋高原地区に配達する宅急便をJR江原駅で路線バスに積み込み、神鍋高原の東河内バス停留所で担当セールスドライバーに引き渡す形となる。

全但バスでは、路線バスの空きスペースで宅急便を輸送することで、バス路線網の維持につながる新たな収入源を確保することができるほか、地域住民にとっては、バス路線網が維持されることで、病院やスーパーなど多様な施設へアクセスでき、生活基盤の維持・向上につながるという。

またヤマト運輸も、セールスドライバーが神鍋高原に滞在できる時間が増えるため、当日発送の集荷締め切り時間が13時から15時まで2時間延長されるなど、宅急便のサービス向上にもつながるほか、従来、昼の到着荷物を取りにセンターに戻っていたセールスドライバーの代わりに、全但バスが荷物を運ぶことにより、移動時間を大幅に削減でき、集配効率が向上し、休憩時間が取りやすくなるなど、働く環境の改善も見込まれるとしている。
さらに、日高センターと神鍋高原間の1日のトラック走行距離が往復約30km削減され、燃料費やCO2排出量の削減にもつながるという。