【ニュース】 常石鉄工、休止工場設備を一括購入した「若松スティール工場」の電気炉を稼働 福岡県北九州市
2014.04.09
常石鉄工株式会社(広島県福山市、財前正幸社長)は4月8日、若松スティール工場(北九州市若松区)の電気炉を稼働した。
これにより、前事業者による工場休止以来、2年4カ月ぶりに最大で60トンの鋼塊(インゴット)の生産が可能となる。
同工場では電気炉を中心に造塊、鋳鋼品製造設備も順次稼働する予定で、素材から加工まで一貫生産体制が整うという。
今後は、船級協会による工場認定の取得に向けた試験操業を進め、今夏以降の営業生産の開始を目指す。
同社は、事業拡大の一環として新たに製鋼、鋳造事業に進出するため、2013年5月に休止工場設備を一括購入し、「若松スティール工場」を発足。
その後、一部機械工場で従来事業の造船向け舵など船尾構造品の機械加工事業を開始、同年11月には、株式会社神戸製鋼所と鋼塊および舶用鋳鋼品製造の技術供与と操業指導を受ける契約を締結している。
今回は、製鋼と鋳造のノウハウを取り入れ、電気炉など主要設備の稼働に向けた整備や要員確保にもめどが立ったことから、電気炉の稼働を開始した。
初めて鋳込んだ製品は、常石造船建造の8万2千トン型ばら積み貨物船向けの船尾構造鋳鋼品で、今後は常石グループ以外に向けた製品にも順次取り組み、国内だけでなく、海外での販路開拓も視野に入れていくという。
「若松スティール工場」の所在地は北九州市若松区向洋町43-1、敷地面積は約14万㎡。従業員は76人(2014年4月1日現在)。