【ニュース】 関市で一千有余年の歴史を持つ伝統漁法「小瀬鵜飼」が開幕、「清流長良川の鮎」の世界農業遺産認定後初開催 岐阜県関市

2016.05.11
岐阜県関市では、長良川河畔の小瀬の里で、5月11日~10月15日の158日間、一千有余年の歴史を持つ伝統漁法「小瀬鵜飼」が開催され
る。

今年は、2015年12月に「清流長良川の鮎」が世界農業遺産認定を受けたことから、更なる盛り上がりが期待されているという。
こうした盛り上がりを背景に、外国人観光客もくつろいで小瀬鵜飼を楽しめるよう、掘りごたつ式の観覧船「まつお丸」を今年初導入。
また、乗船者の多くをシニア層が占める中、若年層にも伝統文化を親しんでもらうため、国内の大学・短期大学・専修学校に通う学生先着100名を対象とした学割キャンペーンを展開する。
さらに今年は、7月・8月の日曜日に船頭体験も実施。
櫂(かい)と棹(さお)と呼ばれる道具を使って屋形船を漕ぐ小瀬鵜飼の伝統的な技術を体感することが出来るという。
20160511関市

関市の「小瀬鵜飼」(おぜうかい)は、静寂の中、かがり火の灯りだけに照らされながら、鵜が次々と水中に潜って魚を捕える伝統的な漁法。
その歴史は古く、平安時代の醍醐天皇から賞賛され、織田信長からは鵜飼漁をする者に対して、「鵜匠」という名称を与えられたとされている。

鵜匠は鵜飼漁をする際、古来から変わらない伝統的な衣装を身につける。
現在も宮内庁式部職として宮中の御用を続ける鵜匠は、全国でも関市の「小瀬鵜飼」と岐阜市の「長良川鵜飼」のみ。

「小瀬鵜飼」の大きな見どころである「狩り下り」では、鵜船と屋形船が並行して川を下りながら、鵜匠の見事な手縄さばきや魚をくわえる鵜の息遣いや水しぶきを間近で感じることが出来るという。

また、岸に屋形船を留めた後には、目前を鵜船が通る「付け見せ」も行われ、静寂の中、鵜が魚を捕る様子や櫓(ろ)と櫂(かい)の音が幻想的な雰囲気を醸し出し、醍醐味である素朴な情緒を楽しむことが出来るとしている。