【ニュース】 奥村組・神鋼商事・室蘭工業大学の3者、木質バイオマス発電所から発生する木質系バイオマス燃焼灰の有効活用に向けた共同研究を開始 北海道石狩市
2024.07.17
株式会社奥村組(大阪市阿倍野区、奥村太加典社長)・神鋼商事株式会社(大阪市中央区、髙下拡展社長)・国立大学法人室蘭工業大学(北海道室蘭市、松田瑞史学長)の3者は、木質バイオマス発電所から発生する木質系バイオマス燃焼灰の有効活用に向けた共同研究を開始した。
木質系バイオマス燃焼灰の多くは産業廃棄物として処分されているが、元々植物由来であり環境に優しいことから、有効に活用することが期待されているという。
一方、畜産業に甚大な被害をもたらす鳥インフルエンザや豚熱等の伝染性疾病への対策には、強アルカリ性で、高い消毒効果を有する消石灰が消毒剤として一般的に使用されている。
3者は、木質系バイオマス燃焼灰も水に濡れると消石灰と同様に強アルカリ性を示すことに着目、消石灰の代替材としての有効活用を目指し、研究を始めることにしたという。
同共同研究では、奥村組が出資する石狩バイオマス発電所(北海道石狩市)で発生した燃焼灰について、消毒効果の有無、効果発現までの時間、持続性等を確認・評価し、家畜伝染性疾病予防用資材としての可能性を検討する。
同大学大学院工学研究科の山中真也教授(界面・化学工学研究室)は、これまで農研機構・生研支援センター委託事業のイノベーション強化創出研究推進事業「口蹄疫・鳥インフルエンザ等家畜伝染病防疫のための多機能粒状消石灰の実用化」等で消石灰の消毒効果に関する研究実績を有しており、今回の共同研究でも過去に得られた消毒効果に関する知見を提供するとしている。
神鋼商事は、同発電所で使用する木質バイオマス燃料の供給を担当しており、燃焼灰の消毒材としての商品化と販売について協力するという。
3者は、再生可能エネルギーの木質バイオマス発電により排出される木質系バイオマス燃焼灰も有効に活用することで、循環型社会の形成への貢献を目指すとしている。