【ニュース】 大東建託、けせんプレカット事業協同組合などの協力により、アカマツの強度試験を実施、100%国産ランバー材による2×4工法建築物の実現を目指す 岩手県住田町

2023.04.03
大東建託株式会社(東京都港区、小林克満社長)は2022年、けせんプレカット事業協同組合(岩手県住田町、泉田十太郎代表理事
)、国立研究開発法人森林研究・整備機構 森林総合研究所(茨城県つくば市、浅野透理事長)、岩手県林業技術センター(岩手県矢巾町、西島洋一所長)協力のもと、100%国産ランバー材による枠組壁工法(2×4工法)建築物の実現を目指し、アカマツの強度試験を実施した。

同試験では、寸法型式204・206・210のアカマツ材を使用し、曲げ・引張試験を実施。
試験の結果、アカマツは同社2×4工法建築物の床根太や垂木等に求められる強度基準を十分に満たしていることを確認したとしている。

アカマツは、床を支える床根太、屋根面を構成する垂木などの水平方向に架け渡される構造材となる横架材に必要な強度を満たしていると評価されているが、2×4工法材としての試験データは少なく、2×4工法建築での構造材としての利用は進んでいなかったという。

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国産材の利活用は、新型コロナウイルス感染症の流行を発端としたウッドショックや、気候変動抑止に向けた森林保全、国内の林業・木材産業保護などの観点から、建設業界全体の重要課題となっている。
木造の賃貸集合住宅を主力商品とする同社グループでも、「持続可能な木材の調達と活用」を重要課題に掲げており、2009年には同社が建設する賃貸集合住宅で初めて国産スギ材を採用、国産材利活用や森林保全の取り組みを進めてきた。

同社では、同試験結果をもとに、岩手県を含む東北地域での供給が多い同社2×4工法建築物にアカマツを採用した場合の試設計も実施。
2×4工法材でアカマツの利活用を進めることで、100%国産ランバー材による2×4工法建築物の実現を目指す。

建設地域の木材活用による地産地消が促進することで、地域の林業振興・地域創生に貢献するだけでなく、物流によるCO2排出量の抑制も期待できるとしている。

さらに、アカマツ以外の樹種についても研究を進め、建設業界の技術革新と国産材利用を国内の森林・林業保全に貢献するという。