【ニュース】 霧島酒造、焼酎製造とリサイクルでサツマイモを100%有効活用、日本初「サツマイモ発電」でゼロエミッションを実現 宮崎県都城市

2014.09.01
焼酎メーカーの霧島酒造株式会社(宮崎県都城市、江夏順行社長)は、芋焼酎の製造過程で生じる芋くずや焼酎粕を資源としたバイオマス発電「サツマイモ発電」による発電事業に本格参入する。
同社は、2003年より、焼酎粕の廃液処理にいち早く取り組み、2006年には焼酎粕をバイオマス資源として利用するリサイクル事業を開始。
2012年にはリサイクルプラントを増設、国内最大級の焼酎粕リサイクルプラントを完成させている。
現在では、増加するバイオガスを有効利用するため、焼酎製造工程の蒸気ボイラー熱源にも用途を拡大しているという。


今回はさらに、「再生可能エネルギー固定価格買取制度」に基づき、バイオマス発電システムによって発電した電力を全て九州電力株式会社へ売電する事業を9月より開始する。
サツマイモによる発電事業は国内では初、本格焼酎メーカーとしては国内最大規模の発電量になるという。
同社では現在、1日最大800トン発生する焼酎粕をメタン発酵によりガス化し、焼酎製造工程の蒸気ボイラー熱源として活用している。
蒸気ボイラーに使用するバイオガスは、本社増設工場で利用する総熱源量の46%を占め、CO2削減量に大きな成果を上げているが、焼酎製造で有効利用できるバイオガスは総発生量の44%に留まっていた。
今回の発電事業では、発生した余剰ガスをほぼ100%有効活用し、年間約400万kWhの発電を行う。
発電量は、一般家庭での消費電力量に換算すると約1,000世帯分の年間使用量に相当、年間で1億5,000万円の売電収入を見込むとしている。