【ニュース】 宇都宮大学地域デザイン科学部と地元有識者、明治から大正期まで足尾銅山の輸送の主力を担った「馬車鉄道」の現地調査を実施 栃木県日光市
2022.09.06
国立大学法人宇都宮大学(栃木県宇都宮市、池田宰学長)地域デザイン科学部(栃木県宇都宮市)と日光市足尾町の有識者らは、地域の再生・発展を目指し、明治から大正期まで足尾銅山の輸送の主力を担った「馬車鉄道」の現地調査を実施した。
2022年9月1日には日光市(神子内エリア)の調査を、9月2日には足尾から群馬県みどり市方面(原から沢入エリア)の調査をそれぞれ実施。
一次史料と位置を見比べながら、山中では緑色に浮かび上がる小道を、沢沿いでは石組みの橋台を確認したという。
日光市足尾町は、明治期から昭和の時代にかけて日本の近代化を貢献した銅山のまちとして発展してきたが、1973年に足尾銅山が閉山。
足尾銅山の近代化をけん引した馬車鉄道の遺産については、不明な点も多く、一次史料研究から現地での調査まで、地道な取り組みが行われていた。
今年度は、栃木県からの支援も受けることができたため、現地調査に着手。
9月1日は足尾地域の有識者1名と宇都宮大学3名で実施し、9月2日は足尾地域の有識者3名と宇都宮大学3名で実施した。
9月1日の現地調査では、山中に鮮やかに浮かび上がる緑色の小道と化した軌道敷跡を確認(神子内エリア調査)。
明治期から大正期にかけて、足尾銅山の北東側や日光駅からは、銅山の操業に必要な物資、燃料や薪なども運ばれており、この軌道跡沿いでは運搬中にこぼれ落ちたであろうコークスなども確認できたという。
9月2日の現地調査では、一次史料とほぼ同じ位置に橋台跡を確認(原から沢入エリア調査)。
これまでの同大学の研究成果(一次史料から得られた馬車鉄道の建設の経緯や、計画図など)をもとに遺産の位置を確認し、地元の有識者3名と馬車鉄道の知識を融合させ、調査に臨んだという。
地域の再生・発展を目指し、地域の人々と大学で、知識の継承と融合を図る。