【ニュース】 根室交通・くしろバス・ヤマト運輸の3社、都市間バスを活用し「宅急便を輸送する「客貨混載」の本格運行を開始 北海道根室市
2025.06.03
根室交通株式会社(北海道根室市、岡野将光代表)・くしろバス株式会社(北海道釧路市、深谷晋也社長)・ヤマト運輸株式会社(東京都中央区、阿波誠一社長)の3社は、根室交通とくしろバスが根室~釧路間で共同運行する都市間バス「ねむろ号」(釧路線)を活用し、ヤマト運輸の「宅急便」を輸送する「客貨混載」の本格運行を2025年6月2日より開始した。
過疎地域の交通・物流インフラの維持が課題となる中、業種を越えて各社の経営資源を活用することで、持続可能な地域社会への貢献を目指す。
北海道の中で最も広大な道東地域では、人口の減少によって鉄道やバスの減便や廃線が進んでおり、根室~釧路間を結ぶ釧路線も、利用客の減少により、路線の存続が困難となっている。
同路線は、自動車の運転ができない高齢者層や若年層などの交通弱者にとって、通院などの重要な市民インフラであることから、北海道庁や根室市などからの支援と運行本数の減便によって運行を継続しているという。
一方、ヤマト運輸は、北海道内で138カ所の拠点を持ち、道内全てのエリアで物流サービスを提供しているが、過疎化や輸送力の低下が進む中、持続可能な物流ネットワークの維持が課題となっていた。
2025年4月1日からは、同路線を活用した客貨混載の実証運行を実施、実用性や安全性を確認している。
今回本格運行を介した客貨混載の流れは、ヤマト運輸釧路西営業所(北海道釧路市)に到着した厚岸郡厚岸町行きの荷物を、ヤマト運輸のセールスドライバーがくしろバス本社(釧路市)まで輸送、ねむろ号のトランクルームに荷物を積み込み、根室交通のドライバーが厚岸郡厚岸町まで輸送し、ヤマト運輸厚岸営業所(北海道厚岸町)と「茶内」停留所(厚岸郡浜中町)でヤマト運輸のセールスドライバーに荷物を引き渡すというもの。
同取り組みでは、バスの運行ルートに近いヤマト運輸の営業所にバスが立ち寄るため、セールスドライバーとの時間調整が不要で、バスの運行ダイヤへの影響も抑制できるほか、バスの大容量トランクルームを貸切利用するため、複数種類(常温・冷蔵・冷凍・お買い物便)のコンテナを効率的に積載可能だという。