【ニュース】 三菱総合研究所など、AI自動音声応答による電話予約が可能なオンデマンド交通の実証で7割以上の利用者が「大変満足」「満足」と回答 山梨県都留市
2025.04.08
株式会社三菱総合研究所(東京都千代田区、籔田健二社長)・都留市(堀内富久市長)・株式会社アイネス(東京都中央区、服部修治社長)の3者は、2025年2月17日~28日に実施した、AI自動音声応答による乗車予約が可能なオンデマンド交通「AI(あい)つる~と」の実証運行で、95%以上の予約がAI自動音声応答で正常に完了し、7割以上の利用者が「大変満足」「満足」と回答したと発表した。
同市では2023年11月、専用アプリで予約するオンデマンド交通の実証運行を実施。
利用者から評価を得た一方で、「専用アプリの使い方が分からない」といった声や、予約受付のオペレーションコストの負荷が課題になっていたという。
今回の実証運行では、前回の課題も踏まえ、予約はアプリによる入力ではなく直接電話をかけ、流れてくるAI自動音声に対し、利用者が応答する方式を新たに採用した。
予約を受け付けると、運行システム側では同一時間帯の他の予約者の目的地や到着時間も勘案し、最適な運行ルートを探索、その運行ルートは送迎車に配信され、ドライバーはそれに沿って複数の利用者を各目的地まで送迎する。
利用者はあらかじめ配布されたバーコード入りの会員証を乗車時と降車時にドライバーに提示し、ドライバーが会員証をスマートフォン端末で読み取ると乗降確認のデータを取得する仕組みとなっている。
実証では運賃を無料としたが、乗降時の会員証スキャンにより、キャッシュレス決済を行う検証も併せて実施した。
運行期間中は、延べ100人弱が利用し、利用後のアンケートでは7割以上の人が「大変満足」または「満足」と回答、また半数以上の人が「今後も自動音声予約を利用したい」と評価した。
AI自動音声応答で予約が完了しないケースも想定し、オペレーターが対応するコールセンターへの転送も準備していたが、実際には95%以上の予約が自動音声応答で完了。
一方で、時間や停留所番号の聞き間違いといった、さらなる音声認識精度の向上などが新たな課題として浮き彫りになったという。