【ニュース】 JR東海と積水化学工業、ペロブスカイト太陽電池を搭載した防音壁の試作品を開発、小牧研究施設等で実証実験を実施 愛知県小牧市

2024.12.19
東海旅客鉄道株式会社(名古屋市中村区、丹羽俊介社長)と積水化学工業株式会社(大阪市北区、加藤敬太社長)は、ペロブスカイト太陽電池を搭載した防音壁の開発等で共同開発契約を締結、このほど試作品を開発した。
今後は実用化に向け、JR東海の小牧研究施設(愛知県小牧市)等で実証実験を実施する。

両社は今回、日当たりが良く東海道新幹線沿線に設置されている防音壁に着目、ペロブスカイト太陽電池の導入に向け共同で技術開発を行う。
これまで太陽電池の設置が難しかった箇所に導入することで、より広範囲で再生可能エネルギー由来の電気の生成が可能になるとしている。

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防音壁に設置する太陽電池は、荷重を支える防音壁の基礎部等が大規模な構造とならないよう、軽量であることが重要となるほか、列車の通過による振動や風圧等を受ける条件下でも使用できる必要があるという。

そこで、薄く軽量で柔軟なフィルム型ペロブスカイト太陽電池に着目、防音壁への適用について検討を開始。
防音壁は寿命が長いため、メンテナンスでは太陽電池のみを取り替えることを想定、既に容易に脱着できるようなペロブスカイト太陽電池付き防音壁の試作品を開発した(特許出願済)。

今後は、実用化に向けた課題を抽出するため、ペロブスカイト太陽電池付き防音壁の試作品を小牧研究施設に設置、屋外環境の様々な条件下で発電性能を評価する。
また、同施設の試験装置等を使用し、列車の通過を想定した振動や風圧等を加え、鉄道環境に耐えうる構造を検討するとともに、発電性能への影響を検証。
加えて施工性の確認も行うとしている。

同施設内での実証実験は2025年1月より開始、ペロブスカイト太陽電池で発電した電気は駅等での活用を想定しており、実証実験の結果を踏まえ、実用化に向けた検討を進めるという。