【ニュース】 東急建設など3社、使用済み紙おむつ由来の成分を活用したオーガニック培養土等の生産で事業化に向けた共同研究を開始 東京都渋谷区
2024.09.18
東急建設株式会社(東京都渋谷区、寺田光宏社長)、株式会社ムスカ(東京都中央区、串間充崇社長)、トータルケア・システム株式会社(福岡市博多区、長武志社長)の3社は、使用済み紙おむつ由来の成分を活用したオーガニック培養土等を生産する「地球動物園」について、事業化に向けた共同研究を開始した。
同事業は、東急建設による新規事業アイデアコンテスト「MOON SHOT CONTEST(ムーンショットコンテスト)」で選出された事業アイデアで、使用済み紙おむつを原材料として、オーガニック培養土や緑化基盤材を生産する事業。
これまで東急建設社内で検討を進めていましたが、今回、昆虫を活用した有機廃棄物処理技術を有するムスカ、使用済み紙おむつのリサイクル技術を有するトータルケア・システムの知見を活用した共同研究を開始、2026年度までに事業化を目指す。
共同研究で得られた成果については、土壌・有機性廃棄物の有効利用を専門分野とする秋田県立大学生物資源科学部 石川祐一教授による検証を予定している。
使用済み紙おむつは、その大半が焼却処分されおり、焼却処分にあたっては水分を多く含み焼却しづらいため、CO2排出量が増えることが指摘されている。
近年、高齢化の進展に伴い、紙おむつの生産量・使用量は増加傾向にあり、環境省の推計では、2030年度の使用済み紙おむつ廃棄量は260万トンとなり、一般廃棄物処理量に占める割合は約7.0%まで高まるとされている。
これらの使用済み紙おむつを処理するにあたり、いかに環境負荷を低減するかが課題になっているという。
今回の同事業案では、回収した使用済み紙おむつを水溶化処理、焼却処理と比較しCO2排出量の削減効果が見込まれる。
また、処理過程で発生する汚泥を脱水処理後、イエバエによる有機廃棄物の消化処理技術等を加えることで、生成された有機肥料を原料にオーガニック培養土や緑化基盤材の元肥を生産する事業でもあるという。