【ニュース】 山梨県、2024年度富士山登山規制で混雑緩和と安全確保に成功、今後の課題は「駆け込み登山」や軽装登山への対応  山梨県富士吉田市

2024.09.12
今夏、登山道の混雑緩和や弾丸登山の防止を目的に全国初の登山規制を導入した山梨県(長崎幸太郎知事)は2024年9月10日、今シーズンの富士山吉田口登山ルートの閉山を迎えた。
シーズン前はトラブルの発生が心配されたが、様々な取り組みにより、シーズン終了まで順調に推移したという。

今夏の富士山吉田口登山ルート規制(7月1日~9月10日)では、新たに入山料2,000円(別途保全協力金1,000円)を徴収したほか、登山ゲート(午前3時オープン~16時クローズ)を設置、1日の登山者数制限を4,000人(山小屋予約者を除く)とした。

期間中、1日の登山者数が4,000人を超えた日は無く(同県調べ)
、登山者数は12万5,287人で昨年比18%減少(富士吉田市調べ)
、夜間登山者数は708人で昨年比95.1%減少(同市調べ)。
さらに、傷病や歩行困難などの救護相談件数は27件で昨年比41.3
%減少(同県調べ)だった(同県調べの数値は9月10日時点の速報値)。

昨年見られた外国人登山者の登山道での仮眠、山小屋前での滞留などの迷惑行為はシーズン当初に一部で見られたが、大使館への協力要請などの対応を行った結果、7月中旬以降は山小屋等からの苦情ほとんど確認されなくなったとしている。
また、地元関係者からは「夜間の登山道が静かになった」「山小屋の前に不法投棄されるごみが減少した」など、規制の効果を強く実感する声が多数届いているという。

一方、規制(16時)間際にゲートを通過し、山小屋に宿泊せず山頂を目指す「駆け込み登山」や、軽装登山といった課題が浮き彫りになり、静岡県との統一的な規制の実施が求められているとしている。