【ニュース】 住友大阪セメントなど、栃木工場バイオマス発電所で排気ガス中CO2を利用した「BECCS育苗システム構築」に向け実証試験に着手 栃木県佐野市

2024.08.29
住友大阪セメント株式会社(東京都港区、諸橋央典社長)と株式会社オムニア・コンチェルト(東京都港区:藤原慶太社長)は、セメント業界初の試みとして、住友大阪セメント栃木工場バイオマス発電所(栃木県佐野市)の排気ガス中CO2を利用した「BECCS育苗システム構築」に向け実証試験に着手した。

通常、植物は光合成を行い成長するが、1,000ppm程度超のCO2高濃度環境下では成長速度が速くなることが知られている。
同取組では、同工場での電力供給を担う木質バイオマス発電所からの排ガスを浄化した後に、少花粉苗木栽培を実施する育苗ハウスにCO2源として活用、促成栽培を実施するとしている。

これは、昨今注目を集めているCCSとバイオマス発電を組み合わせた「BECCS(Bioenergy with CarbonCapture and Storage
)」にあたるネガティブエミッション技術(NETs)の一つとみなすことができ、このBECCS型育苗システムにより育った苗木を植林に利用することは、大気中の炭素を除去するカーボンオフセットに当たるという。

同取り組みは、一つのセメント工場の使用電力を、自社の木質バイオマス発電によるグリーン電力で供給できる住友大阪セメント独自のカーボンニュートラルに向けた新しい姿として、業界初の取り組みとなる。

また同取り組みでは、オムニア・コンチェルトの高度な環境制御装置が備え付けられた最先端育苗ハウスを導入することで、温度や湿度、CO2濃度、灌水等を自動管理・制御しながら、縦型水耕による苗木の最適な成長環境を作り出すことを可能としている。
加えて、バイオマス発電所のグリーン電力を利用した特定波長の
LEDで長日処理、休眠阻害を施す促成栽培も行うという。