【ニュース】 伊豆市、日本初となる津波避難複合施設「Terrasse Orange toi」を開業、災害時は一時避難スペース、平常時は観光施設として活用 静岡県伊豆市

2024.07.17
伊豆市(菊地豊市長)は、同市西側の土肥(とい)海岸で日本初となる津波避難複合施設「Terrasse Orange toi(テラッセ オレンジ トイ)」を完成、2024年7月12日に開業した。

同施設は、平時は土肥の基幹産業となっている観光業に寄与し、有事の際には津波から命を守る避難施設。
建物は地上高18.8mの4階建てで、災害時の一時避難スペースとして約1,200人の避難者数を想定、3階・4階で備蓄非常食(パン)や保存水などを備蓄している。
一方、平常時は土肥の地場産品販売、食事、バーベキューの各コーナーを設置、市民や観光客の交流拠点として活用するという。

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平成23年の東日本大震災以降、日本各地の海岸線エリアで津波対策施設の建設が進む中、同市は南海トラフ巨大地震などの巨大地震を想定し、平成29年5月に津波防災地域づくり推進計画「伊豆市
“海と共に生きる”観光防災まちづくり推進計画」を策定。
同施設の建設は、同計画の一環として進めてきたもので、津波対策と平時の有効利用を両立させた施設となる。

同市では、土肥地域を支える産業「観光」を生かしながら、「環境」「防災」とのバランスを図っていくため、伊豆市津波防災地域づくり推進協議会を中心に、ワークショップや市民集会などを実施。
延べ500人近い地域住民との意見交換の場を設け、今回、同施設完成の運びになったという。

松原公園津波避難複合施設「Terrasse Orange toi(テラッセ オレンジ トイ)」の所在地は静岡県伊豆市土肥2657-6 松原公園内。
構造・規模はS造、地上4階建て(地上高18.8m、避難スペースは3階以上で海抜14m以上、津波浸水想定10m+余裕高4mで設定)
、避難面積は約600㎡。
想定避難者数は約1,200人(津波避難困難地域「松原公園周辺」の海水浴客・公園利用者・市民を想定)。
想定する機能は、災害時が一時避難スペース・防災備蓄庫など、平常時が地域交流の場、農林水産物などの物販・飲食の提供、観光情報・地域情報の発信、土肥海水浴場との連携。
店舗は4階(屋上)が天空BBQ「ありがとう」、3階が海と夕日を奏でる食事処「ありがとう」、1階が土肥特産市「ありがとう」・軽食を中心に提供する「Porto101」。