【ニュース】 篠山城跡南堀で7月下旬から8月中旬にかけてハスが見頃に、地域一体となった取り組みで一度消滅したハスが復活 兵庫県丹波篠山市
2024.07.10
丹波篠山市(酒井隆明市長)はこのほど、篠山城跡南堀(兵庫県丹波篠山市)で、今年もハスの開花が始まり、7月下旬から8月中旬にかけてハスが見頃を迎えると発表した。
このハスは「篠山城蓮(ささやまじょうばす)」という固有品種で、花弁が少なく、大ぶりな花をつけるのが特徴。
2005年ごろに一度消滅したものの、外来生物駆除やハスの再導入などの努力を重ね、2019年に約15年ぶりに開花したという。
かつて篠山城跡南堀に咲き誇っていたハスは、2005年ごろに突如消滅。
その原因はしばらく謎だったが、2013年、小学生が市政について提言を行う「こども会議」で篠山小学校6年生の児童からハスの復活を求める意見が出たことから、同市は原因調査と復活に向けた取り組みを開始。
調査を開始したところ、佐賀城(佐賀県佐賀市)でも同様の現象が発生しており、外来種のミシシッピアカミミガメを駆除したことでハスが復活したという事例が報告されていたことから、ミシシッピアカミミガメが原因と推定、ハスの復活のため取り組みを始めたという。
2014年からハスの復活に向け、ミシシッピアカミミガメの駆除を開始、翌年からは同市・市民・事業者・神戸大学の産学官民が一体となり「農都ささやま外来生物対策協議会」を設置し、本格的に駆除を開始。
主に網に餌を仕掛けた誘引わなを設置し、ミシシッピアカミミガメを捕獲した。
その他、市民と共同でかいぼりイベントを実施、堀の水を抜き、巨大な地引網で捕獲を行い、2014年からの5年間で1,221匹を捕獲
、合わせて水位の調整、土壌・水質の分析、肥料の施用実験、種レンコンの移植などを実施。
こうした取り組みが実を結び、2019年の夏には15年ぶりにハスが開花した。
地域一体となって行ったこのハスの復活への取り組みは、優れた自然保護活動、生物多様性保全活動を表彰する「日本自然保護大賞
2021」に入選、現在ではハスが南堀を埋め尽くすほど広がっており、かつての情景を取り戻しているという。
なお、ハスは午後になると花弁(花びら)を閉じてしまうため、ぜひ午前中に観察してほしいとしている。
「篠山城跡南堀」の所在地は兵庫県丹波篠山市東新町15-1。