【ニュース】 NTTコミュニケーションズ、荒尾市・有明地区水利組合と連携し、「水稲栽培における中干し期間延長の方法論」を活用したJ-クレジット創出の取り組みを開始 熊本県荒尾市
2024.07.02
NTTコミュニケーションズ株式会社(東京都千代田区、小島克重社長)は、荒尾市(浅田敏彦市長)・有明地区水利組合と連携し、「水稲栽培における中干し期間延長の方法論」を活用したJ-クレジット創出の取り組みを開始する。
同取り組みは、稲発酵粗飼料により、J-クレジットの販売益を同水利組合で一元管理し、同水利組合の運営費に利用することで、生産者の組合費負担を軽減する新たな農業モデルの構築を目指すもの。
「水稲栽培における中干し期間延長の方法論」は、稲作の栽培期間中に水田の水を抜いて田面を乾かす「中干し」の実施期間を従来よりも7日以上延長することで、土壌からのメタンガスの排出量を抑制する方法論。
農林水産省では、持続可能な農業の実現に向け、「みどりの食料システム戦略」を掲げており、その戦略の一環として2023年3月に同方法論を策定したという。
同社は、同方法論に基づき、温室効果ガスの排出量削減や、創出されたJ-クレジットの流通による新たな農業モデルの構築を目指している。
一方、生産者は、米の品質影響に対する不安やJ-クレジットの申請手続きの煩雑さなどにより、水稲栽培での中干し期間延長への参入障壁が高くなっているという。
同社は今回、この課題を解決するため、脱炭素社会の実現に向けて積極的な取り組みを行っている同市・同水利組合と連携し、生産者の同取り組みへの参画を後押しするとしている。
同取り組みでは、同水利組合の組合員が保有する稲発酵粗飼料の水田で、中干し期間を直近2か年平均より7日間以上延長することで
、水田から発生するメタンガスを抑制することができ、抑制した分をJ-クレジットとして申請することが可能。
J-クレジット認証に必要な各種データの管理や申請は同社が一括して行う。
同水利組合は、J-クレジット販売益を今まで組合員が負担していた水管理やパイプラインの管理・修繕などの運営費に充てることで、組合員の負担を軽減できることを検証するとしている。