【ニュース】 オリックス、「バイナリー方式」では国内最大規模の地熱発電所「南茅部地熱発電所」で商業運転を開始 北海道函館市
2024.05.07
オリックス株式会社(東京都港区、井上亮社長)は2024年5月1日
、設備容量6,500kW(6.5MW)の地熱発電所「南茅部地熱発電所」(北海道函館市)の商業運転を開始した。
事業者はORジオ南茅部株式会社(オリックス株式会社100%孫会社)。
同発電所は、地下から取り出した熱水の熱で水より沸点が低い媒体を沸騰させ、その蒸気でタービンを回し発電する「バイナリー方式
」を採用したもの。
これまでの国内の地熱発電は、地下から取り出した蒸気や熱水を直接利用しタービンを回す「フラッシュ方式」が主流だったが、「バイナリー方式」では媒体を使用することで、低温度(主に200度以下)の地熱資源でも発電を可能としている。
なお同発電所は、「バイナリー方式」としては国内最大規模(同社調べ)の地熱発電所になるという。
さらに同発電所では、ラインシャフト式ダウンホールポンプを日本国内の地熱発電所で初めて導入。
長時間稼働可能な耐久性の高い地熱向けポンプを利用することで、低温度の熱水からでも十分な熱量を得ることが可能となり、従来は困難だった低温度の熱水地域でも設備容量の大きい地熱発電を実現したとしている。
設計面では、新技術の活用により、井戸の本数と開発面積を削減するとともに、高温になった媒体の冷却には、従来使用されていた水の代わりに空冷凝縮器を使用することで、樹木が枯れる原因となる樹氷の発生を防止。
また、取り出した熱水は、全て地下に還元して水資源の循環に努めるなど、環境に配慮した発電所設計を行った。
あわせて、発電所近隣の森林整備を行い、地域と連携しながら環境保全を図るという。
「南茅部地熱発電所」の所在地は北海道函館市臼尻町722番他。
設備容量は6,500kW(6.5MW)。
年間発電量は最大約5,694万kWh。