2024.03.01
老舗旅館「よろづや」（長野県山ノ内町）を運営する株式会社萬屋傳蔵（長野県山ノ内町、小野誠代表）は2024年3月1日、全5室の露天風呂付客室の宿「松籟荘（しょうらいそう）」を開業する。
グランドオープンは4月15日。

「よろづや」の離れとして存在していた旧松籟荘は、1939年に完成した木造の数寄屋造りで、2003年に国の登録有形文化財に指定された建物。
地域のシンボルとして多くの人々に親しまれていたが、2021年2月に火災で焼失した。
その後、再建を願う多くの人の声に応えるため、クラウドファンディングを実施、330名より協力が得られたという。

今回開業する新たな松籟荘は、場所を変え、全5室のスモールラグジュアリーの宿として生まれ変わるもの。
外観などの姿は以前と大きく異なるが、館内の所々で旧松籟荘の意匠を再現、また一部の調度品は旧松籟荘で使用していた物と同じデザインで制作するなど、古くから同館を親しんできた人々への「おかえりなさい」の気持ちを念頭に、開業準備を進めてきたという。

客室には、全室に自家源泉の天然温泉かけ流しの露天風呂と四季折々の景色を楽しむ事ができる坪庭を設置、自然と一体になる日本の建築美を意識した数寄屋建築に拘った。
現在、和室や和風建築は、質の良い材料の入手が難しく、技術者の高齢化に伴い、技術の継承も困難な状況だが、新たな松籟荘では、数少ない熟練技術者と本物の素材にこだわり、手仕事の美を追求したという。
訪れる人々には、日本建築の美しさや、普段は触れることの少ない日本の伝統に再び触れてもらいたいとしている。

「松籟荘（しょうらいそう）」の所在地は長野県下高井郡山ノ内町平穏3071-1、交通は長野電鉄「湯田中」駅より徒歩7分。

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松籟荘