【ニュース】 淀川製鋼所、解体された「中銀カプセルタワービル」のカプセルを1つ取得、移動可能なトレーラーカプセルとして再生 大阪府大阪市

2023.04.07
鋼板から一貫生産する鋼板製建材商品・エクステリア商品のパイオニアである株式会社淀川製鋼所(大阪市中央区、二田哲社長)は、2022年4月~10月にかけて解体された「中銀カプセルタワービル」(東京都中央区)の140カプセルのうち、中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト(前田達之代表)が取り外した23カプセルの1つを取得した。

同社は、中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクトの活動趣旨に賛同、同ビルを設計した黒川紀章氏の弟子であり、工学院大学建築学部教授で株式会社ATELIER OPA(アトリエ オーピーエー、東京都千代田区、杉原有紀代表)の鈴木敏彦氏の協力を得て、取得したカプセルを移動可能なトレーラーカプセルとして再生した。
今後は、この「動く中銀カプセル」を、同社のデザインブランド「YODOKO+(ヨドコウプラス)」のシンボルとして活用する。
お披露目として、2023年4月~6月に、各地で開催されるエクステリアの展示会で「動く中銀カプセル」として展示するという。

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中銀カプセルタワービルとは、黒川紀章氏(1934~2007)の設計によるカプセル型の集合住宅(分譲マンション)で、1972年に東京都中央区銀座で竣工した建物。
黒川氏ら当時の日本の若手建築家グループが開始した建築理論・建築運動「メタボリズム」を代表する建築として知られ、そのデザイン性は国内外で高く評価されていたが、老朽化などの理由により、2022年に解体。
カプセルの一部は再生され、新たに美術館や商業施設などで活用されているという。

今回、同社では、取得したカプセルをトレーラー化するにあたり、積載重量の基準をクリアするため、軽量化が必要となったことから、中銀カプセルタワービル竣工当時の内装への再生過程で、当時の家具を全て復元する一方、構造体の一部を間引きし、壁や天井の仕上げを略すことで軽量化を図った。
トレーラー化により、これまでの中銀カプセルには無かった「動く」という特性とスケルトンの仕様が加わり、竣工当時を彷彿させつつも新たな趣を帯びた「トレーラーカプセル」に仕上がったとしている。

今後は、同社が2022年3月に立ち上げた、「ニューノーマルの暮らしをデザインする」をコンセプトにエクステリアからインテリアまで展開するデザインブランド「YODOKO+(ヨドコウプラス)
」のシンボルとして「動く中銀カプセル」を活用するという。