【ニュース】 深松組など、「アクアイグニス仙台」内の農業ハウスで栽培用自然エネルギー利用熱源システムを開発・導入、実証試験を開始 宮城県仙台市

2023.02.02
株式会社深松組(仙台市青葉区、深松努社長)・仙台reborn株式会社(仙台市若林区、深松努代表)・東北大学多元物質科学研究所(仙台市青葉区、寺内正己研究所長)は、癒しと食の複合施設「アクアイグニス仙台」(仙台市若林区)内の農業ハウスで栽培用自然エネルギー利用熱源システムを開発・導入、実証試験を開始した。

同システムは、同施設に設置した太陽熱集熱器と、太陽熱を恒温熱源化することができる凝固層剥ぎ取り型潜熱蓄熱システムを組み合わせ、新システムとして開発したもの。
化石燃料に依存しないカーボンニュートラル型の施設園芸が期待できる、世界初の試みだという。

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同施設は、省エネ性やCO₂排出量の削減に寄与することを目的としており、地中熱・温泉排熱・ボイラ廃熱・浴槽排気熱から熱を回収し、各設備で利用するシステムを構築・導入している。

その中で、敷地内の「農業ハウス」では、太陽熱エネルギーの利用を検討していたが、変動熱源の太陽熱を効率よく安定熱源に平準化することは、従来のシステムでは難しい現状にあったという。
蓄熱密度に優れた「潜熱蓄熱式平準化システム」に着目するも、従来型の潜熱蓄熱システムでは蓄熱した熱を放出する際、伝熱壁表面で潜熱蓄熱材が凝固し伝熱面が固相で覆われるため、著しく伝熱速度が低下するという問題を抱えていたとしている。

同事業では、潜熱蓄熱材に蓄熱した熱を高速かつ安定して放熱できる凝固層剥ぎ取り型潜熱蓄熱システムと、冬場でも効率の良い集熱が可能なヒートパイプ式太陽集熱パネルを使用した集熱システムを組み合わせた栽培用自然エネルギー利用熱源システムを開発。
冬季の夜間などの暖房が必要な時に、潜熱蓄熱材から熱を取り出し、培地に常時熱を供給することが可能になるという。

同事業は、深松組 ・東北大学多元物質科学研究所の共同研究事業。
令和4年度みやぎ二酸化炭素排出削減支援事業補助金(研究開発等事業)計画認定事業として宮城県が主催する産学官連携会議に参画している。