【ニュース】 旭化成と倉敷市、バイオガス精製システムの性能評価や実証を行う契約を締結、倉敷市の下水処理場にバイオガス精製システムを設置 岡山県倉敷市
2022.09.16
旭化成株式会社(東京都千代田区、工藤幸四郎社長)と倉敷市(伊東香織市長)は9月15日、倉敷市でバイオガス精製システムの性能評価や実証を行う契約を締結した。
同社の製造統括本部水島製造所(岡山県倉敷市)と同市は、これに先駆けて同日、カーボンニュートラル社会の実現に向けた包括連携協定を締結。
脱炭素化に資する実証実験の推進は、両者の連携項目の一つにあたる。
同システムは、同社が開発したCO2を選択的に吸着する新規吸着剤「K-GISゼオライト」を使用し、バイオガスからCO2を除去して高純度のメタンガス(バイオメタン)を精製するもの。
従来の吸着剤はCO2と同時にメタンも吸着してしまう特性を有していたが、「K-GISゼオライト」はメタンの吸着が極めて少ないため、高純度のメタンを高効率に分離回収でき、さらに高純度の
CO2の回収も可能になるとしている。
バイオガスは、下水汚泥や生ごみなどから発生するメタンを約60
%、CO2を約40%含んだガスで、欧米ではバイオメタンは天然ガスの代替として、またカーボンニュートラルな燃料として注目され、急速に需要が拡大しているという。
同市では、児島下水処理場で下水汚泥から発生したバイオガスを使用して発電、このバイオガスの一部を同システムに取り入れ、バイオメタンを精製する。
なお同実証では、バイオガスを無駄にしないため、分離したCO2と混合して元の状態に戻し、発電燃料として使用するという。
実施時期(スケジュール)は、2022年11月に機器製作、2023年5月に設置工事開始、2023年末に運転開始。
実施場所は児島下水処理場(岡山県倉敷市児島小川町3695)。