【ニュース】 WIND-SMILEなど、山形県初となる地熱発電の試験井で山形県知事より掘削許可を取得、9月より掘削工事に着手予定 山形県最上町

2021.07.09
株式会社WIND-SMILE(東京都江東区、福留修蔵社長)が設立した合同会社最上ジオエナジー(東京都江東区)は、山形県では初となる「地熱発電の事業化を最終的に企図した地下資源量評価の為の試験井」について、山形県知事より5月18日に掘削許可(温泉法第3条1項)を取得した。

今後は、最上町で2021年9月より試験井の掘削工事に着手し、地熱資源量評価と近隣影響評価の為の噴気試験等を実施した上で、地元との共生を前提に地熱発電の事業化を推進するとしている。

同社が計画する地熱発電は、中小規模が主流となっているヨーロッパで急速に採用が進んでいる、必ずしも高温度帯を必要としないバイナリー方式。
蒸気・熱水は、地下資源の循環・涵養、蒸気放散による周辺環境の悪化を防ぐ観点から、熱のみを利用した後に全量を地下に還元することを想定している。
地熱資源量の利用に関する十分な賦存量と、近隣への影響を考慮した上での事業化が前提になるという。

同事業では、清流小国川の両岸に開けた歴史ある温泉地「赤倉温泉」を含む同町南東部広域で、地元関係者の理解・協力の元で地熱資源調査を入念に実施し、同町富沢地域に有望な地熱資源を特定したうえで、垂直に2,000m迄の掘削を予定している。

なお同社では、試験井掘削を嚆矢に、周辺への掘削による影響評価と将来の地熱発電所からの熱利用による新しい事業の創造について議論する場として、地元関係者や事業者で構成する連絡協議会を設立、議論をスタートさせているという。

事業所在地は山形県最上町富沢。
掘削開始時期は2021年9月頃(予定)、発電開始時期は2025年上期(目標)。
設備容量(予定)は6,250kW。