【ニュース】 岡山理科大学、好適環境水で養殖した「山育ちのベニザケ」を初出荷、岡山と首都圏の百貨店などで販売 岡山県岡山市
2019.02.20
岡山理科大学(岡山市北区、柳澤康信学長)が養殖し、初出荷した「ベニザケ」の販売が2月16日、岡山市の天満屋岡山本店をはじめ、東京の日本橋三越本店など、首都圏と岡山県内の計31店舗で始まった。
今回のベニザケは2017年11月、岩手県の河川で生まれたヒメマスの稚魚(体長約10cm、重さ約10g)約1,500匹を、理大生命動物教育センターの35t水槽(閉鎖循環式)で養殖したもの。
通常、ヒメマスは海に出てベニザケとなるが、好適環境水により「山育ちのベニザケ」が誕生、大きいものは体長40数cm、重さ約1kgにまで育ったという。
販売に先立ち、2月14日・15日には、飼育に携わった工学部バイオ・応用化学科の学生たちが、首都圏の23店舗向けに108匹、岡山県内の8店舗向けに48匹を出荷。
天満屋岡山本店(岡山市北区)地階の鮮魚売り場一角には、「岡山で海を知らないベニザケ誕生」のポスターが掲げられ、「岡山県産」のシールが張られた刺し身と1匹丸ごとのパックが並んだ。
岡山市内から買い物に訪れた40代の主婦は、「岡山駅で好適環境水の水槽を見て、関心は持っていました。『山育ちのサケ』というのも面白いです。子どもが魚好きなので晩ご飯でいただきたいと思います。」と話し、刺し身を買い求めていた。
今回のベニザケの養殖研究は「中山間地域における陸上養殖具現化共同研究事業」として、同大学と広島県安芸太田町が共同で進めているもの。
同大学の山本俊政バイオ・応用化学科准教授は「世界初の山育ちのベニザケの味を楽しんでほしいと思います。好適環境水による養殖は場所を選びません。この研究が水産業の新しい生産スタイルの確立につながっていくのを期待しています。」と話している。