【ニュース】 三菱地所・真庭市・隈研吾建築都市設計事務所、木質系の建築資材「CLT」を活用した共同プロジェクト「CLT晴海プロジェクト」を始動、国産材を使用したCLTで地方創生 岡山県真庭市
2019.02.15
三菱地所株式会社・真庭市(まにわし)および隈研吾建築都市設計事務所の3者は、木質系の建築資材「CLT」を活用した共同プロジェクト「CLT晴海プロジェクト」に取り組む。
CLTとは「Cross Laminated Timber」の略で、板の層を各層で互いに直交するように積層接着した大判パネルのこと。
同プロジェクトでは、三菱地所が事業主となり、東京都中央区晴海の土地に、隈研吾建築都市設計事務所によるデザイン監修のもと、真庭市産のCLT材を使用した施設を建築する。
同施設は、三菱地所として首都圏初(竣工時点)のCLTを使用した計画。
2019年秋~2020年秋までの1年間、CLTの魅力を伝えるとともに、文化・情報の発信拠点としての運用を予定している。
晴海での運用後は、部材をリユースし、真庭市の国立公園蒜山(ひるぜん)に移築する。
移築後は、観光及び芸術・文化発信拠点として利用される計画で、隈研吾氏によるデザインを活かした、蒜山高原一帯の新たなランドマークとして生まれ変わる。
なお、同事業推進では、地方創生推進交付金制度や企業版ふるさと納税制度などの活用検討も進めているという。
三菱地所では、「泉パークタウン」内での高層賃貸マンション開発計画「(仮称)泉 区高森2丁目プロジェクト」(仙台市泉区)や、下地島空港の「みやこ下地島空港ターミナル」(沖縄県宮古島市)でCLTを活用した開発を行ってきた。
グループとしてもCLT推進に注力しており、同プロジェクトは設計監理を株式会社三菱地所設計、施工は三菱地所ホームで行う。
真庭市では、最大生産能力3万㎥/年の国内最大規模のCLT工場を擁している。
これまでに市営住宅や教育施設・ホテル・住宅・オフィスなど 10件以上のCLT建築が竣工しており、自治体としてCLTの普及推進に注力してきた。
隈研吾建築都市設計事務所では、建築家・隈研吾氏による木材を活用した設計・デザインを世界各地で展開。
同プロジェクトでは、CLTパネルの構造を活かした移築が容易な構造として、都市と地方をデザインでつなぐ。
3者は同プロジェクトを通じ、「都市と地方との資源(経済)・文化の循環」の実現を目指すとしている。
「CLT 晴海プロジェクト」の物件所在地は東京都中央区晴海3丁目2番地22号、移築後は岡山県真庭市蒜山地内(大山隠岐国立公園内国立公園蒜山)。
敷地面積は6,529.09㎡。
建物の規模はパビリオン棟が地上1階建、屋内展示棟が地上2階建、展示別棟が地上1階建。
建物の構造は木(CLT)造、鉄骨造。
建物用途は展示施設、店舗他(予定)。
スケジュールは、2019年5月に既存解体完了・新築工事着工、2019年9月に竣工・運営開始予定、2020年9月に真庭市宛譲渡・解体工事開始予定、2020年10月に真庭市への移築開始予定、2021年5月に真庭市での運営開始予定。