【ニュース】 CBRE、2020年の日本のホテル市場を予測、東京は不足が続き、大阪・京都は需要を上回るストックに 東京都千代田区

2018.02.01
CBRE(日本本社:東京都千代田区)は1月31日、特別レポート「2020年のホテルマーケット展望-注目を集めるホテル開発トレンドと需要動向」を発表した。
同レポートは、最新の供給動向を踏まえ、CBRE Hotelsの知見をもとに、日本のホテル市場の見通しについてまとめたもの。

同レポートによると、インバウンド需要の拡大と客室単価の上昇がホテル開発を促進しており、東京23区・大阪市・京都市の三大マーケットでは2017年から2020年にかけ、既存客室数の38%に相当する新規供給が予定されている。
2017年に入り、ホテルマーケットは転換点を迎えており、民泊やクルーズ船、ホステルなど宿泊態様の多様化も進み、大阪ではホテルのRevPAR(販売可能客室数当たりの客室売上)はマイナスになると予測している。

2020年のホテルマーケットの見通しは、東京の客室数は需要に対して約3,500室不足。
大阪・京都ではストックが必要客室数を上回ると予想されるが、宿泊需要の回帰と喚起が期待されるとしている。
また、主要8都市でのホテル開発計画の9割以上は宿泊主体型ホテルで、そのうち少なくとも5割近くをビジネスホテルが占め、ホテルタイプの偏りが顕著だという。

2020年末までに開業が予定されている主要8都市(東京・大阪・京都・札幌・仙台・名古屋・広島・福岡)のホテルの客室数は合計で8万室。
2016年の既存のストックの32%に相当する規模が新規に供給される予想、中でも東京23区・大阪市・京都市の三大マーケット全体における供給は、既存ストックの38%に相当する規模になる見込み。
供給が増加している背景には、インバウンド需要の拡大を受け、ホテルの収益が順調に増加してきたことが挙げられるとしている。

訪日外客数が急増した2015年は、ホテルのRevPARは対前年比で
14.8%増加(全国平均)。
2016年以降はRevPARの成長率が鈍化し、2017年に入ると大阪はマイナスに転じた。
背景として、客室単価の上昇に伴う一部のビジネス利用客の敬遠、新規供給による競争の激化に加え、急速に拡大しつつある民泊やクルーズ船、ホステルなどの簡易宿泊所を含む宿泊態様の多様化が挙げられるとしている。