【ニュース】 出光興産など3社、湯沢市小安地域の地熱開発で仮噴気試験を実施、掘削した井戸の能力を把握 秋田県湯沢市
2017.11.08
出光興産株式会社(東京都千代田区、月岡隆社長)・国際石油開発帝石株式会社(東京都港区、北村俊昭社長)・三井石油開発株式会社(東京都港区、日高光雄社長)の3社はこのほど、2011年より秋田県湯沢市小安地域で共同調査を行っている地熱開発で、掘削した井戸の能力を把握するため、仮噴気試験を実施した。
同事業は、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構
(JOGMEC)の助成を受けて実施しているもの。
日本には世界の約10%の地熱資源が存在しており、アメリカ、インドネシアに次ぐ世界第3位のポテンシャルを有している。
地熱発電は、天候に左右されずに安定的な電力供給が可能な再生可能エネルギーとして注目されており、東日本大震災以降、国立・国定公園内の地熱開発にかかる規制緩和や、再生可能エネルギー固定価格買取制度施行に伴い、現在、国内各地で調査・開発が進められている。
これまで行ってきた調査のうち、第1段階(2011年度完了)では、地表調査(地表地質調査・重力探査・電磁探査など)を実施。
第2段階(2012~2017年度予定)では、掘削調査・搬入路整備・構造試錐井(調査初期段階に地下構造や地熱の貯留状態を調査するために掘削する井戸)掘削・温泉モニタリング調査を実施し、地質構造・地下温度・透水性などを調査している。
今回は、2012年度より掘削した構造試錐井のうち、2016年度に掘削したOYE-6号井で仮噴気試験(井戸の掘削に附帯して実施する蒸気の有無を確認する短期間の試験)を実施。
この試験を通じ、井戸の噴気能力(蒸気量)・地下温度・地熱流体の化学成分・井戸周辺の透水性などについて詳細な検証作業を行う。
今後は、今回の仮噴気試験をはじめとした今後の調査結果をもとに、第3段階の調査(試験井掘削・生産・還元試験、貯留層能力評価・環境調査など)への移行を2017年度中に判断するとしている。