【編集部取材】 日本観光振興協会など3団体、BtoBを強化した「ツーリズムEXPOジャパン2017」を東京ビックサイトで開催、商談件数は前年比150%増 東京都江東区
2017.09.25
公益社団法人日本観光振興協会・一般社団法人日本旅行業協会・日本政府観光局の3者は、9月21日~24日の4日間(21日・22日は関係者・メディアのみ)、世界最大級の旅のイベント「ツーリズム
EXPOジャパン2017」を東京ビックサイト(東京都江東区)で開催した。
4年目となる今年のテーマは「見つけよう。『旅の新しいカタチ』。」、「創ろう。ツーリズムの『新しいカタチ』」。
BtoB向け商談機能を強化し、「展示会」から「展示商談会」へと進化したのが今年の特徴だという。
今回は、国内47都道府県、海外130ヵ国・地域から、約1,310の企業・団体が出展、出店者数は昨年より11%増加した。
商談会の登録者数は、バイヤーが313社(前年比71%増)、セラーが678社(前年比56%増)。
商談件数は6,886件で、前年比150%となった。
取材に訪れたのは、一般公開に先駆け、関係者・メディア向け公開2日目となる9月22日。
昨年は1日目のみだったアポイントメント商談を2日目にも拡大、展示ブース内商談会方式を新たに採用したこともあり、会場は「売り手」と「買い手」で終日賑わいを見せた。
主催者側による「BtoB向け商談機能の強化」は、前述の数字のとおり、大きな成果を挙げたと言えるだろう。
今年、とくにブースで目立ったのは、VR(仮想現実)を活用した展示だった。
出展者によっては、多数の観光コンテンツを用意、さながら「VRブース」の様相を呈するところもあったが、その多くはGoogleストリートビューの域を脱していない。
表現方法としては、「期待していたほど」のインパクトは正直、感じられなかった。
また今年は、産業観光や工場見学、工房体験など、「ものづくり系」の出展も目立った。
とくに異彩を放っていたのは、一見「武骨」にも見える町工場の様子を比較的ストレートに表現したブース。
伝統工芸の「実演」などは以前からあったが、カタログや映像、試飲や試食中心の会場にあって、こちらのブースは、必ずしも広く浅く一般受けしそうなコンテンツではない、ある意味で「尖がった」展示だった、と言えるだろう。
広く浅く一般受けしそうなコンテンツは「無難」だが、同業者が一堂に会する展示商談会では、やはり「埋没」してしまう。
旅行商品は、実用品とは異なり、ビジネス利用などによる需要を除けば、その大部分が趣味・娯楽の世界。
確かに、「尖がった」コンテンツでは個々のパイが小さくなるかも知れないが、旅行商品に限って言えば、唯一無二性の高い「尖がった」商品をいかに造成できるのかが鍵となる。
実は会場内で、唯一無二性の高い「尖がった」コンテンツの「種」はいくつか発見できた。
しかし、それらの多くは、こうした展示商談会での表現方法や、旅行商品造成の方向性、広告・PR戦略など、複数の構成要素が今一つ噛み合っておらず、「発芽」にまでは至っていない、という印象を受ける。
もっとも、その「発芽」を促すことが、こうした展示商談会の役割とも言えるだろう。