2017.09.19
宮交ホールディングス傘下の宮崎交通株式会社（宮崎県宮崎市、菊池克賴社長）とヤマトホールディングス傘下のヤマト運輸株式会社（東京都中央区、長尾裕社長）は9月15日、保冷専用BOX搭載の路線バスを活用した「客貨混載」で国際クール宅急便を輸送、農水産品を海外に輸出する。
国内での「客貨混載」を経由して、農水産物を海外へ輸出する取り組みは日本初だという。
同取り組みの第1弾では、宮崎県西米良村特産の西米良サーモンを香港の日本食レストランへ配送、生産者等の販路拡大を支援するとしている。

宮崎交通とヤマト運輸は、バス路線網の維持と物流の効率化による地域住民の生活サービス向上を目的に、2015年10月より、西都市～西米良村を結ぶ路線バスで「客貨混載」を開始。
2016年6月には延岡市～高千穂町、日向市～諸塚村でも取り組みを拡大した。
2017年1月からは西都市～西米良村に保冷専用BOXを搭載した路線バスを導入、クール宅急便で西米良村特産の西米良サーモンなどの輸送を開始することで、生産者等の国内での販路拡大支援にも取り組んでいる。

西米良サーモンは、井戸内養魚場（宮崎県西米良村、濱砂清男社長）が1990年から養殖を始めたもの。
程よく甘みののった脂と国内産の新鮮なサーモンとして高い評価を得ており、近年は海外への販路拡大にも取り組む中、鮮度の維持や新たな販路の開拓が課題となっていた。

今回、宮崎交通とヤマト運輸は、西都市～西米良村を結ぶ路線バスによる「客貨混載」と国際クール宅急便の輸送スキームを組み合わせ、高品質な農水産品を鮮度を保ったまま海外へスピーディーに配送する。
ヤマト運輸のセールスドライバーが井戸内養魚場から西米良サーモンを集荷、西米良村のバス停留所「村所」で路線バスに積み込み、宮崎交通のドライバーが西都バスセンターでヤマト運輸のセールスドライバーに引き渡し、セールスドライバーが県内のヤマト運輸の物流ターミナル（宮崎ベース）へ発送。
ヤマト運輸は宮崎ベースから宮崎空港と羽田空港を経由し、那覇空港へ輸送、那覇空港でヤマト運輸が輸出の通関手続きを行った後、香港空港へ輸送し、到着後、香港ヤマト運輸株式会社（書川美樹総経理）の物流ターミナル（香港ベース）で荷物を仕分け、現地のセールスドライバーが配送する。

また、商社として香港で宮崎県の農水産品を輸入するNANA FARM（大原奈々代表）を通じ新たな商流を創出、西米良サーモンを香港の日本食レストラン「元気一杯」（河野正仁代表）へ翌々日に配送することで、物流との両輪で付加価値を高め、生産者等のさらなる販路拡大の支援に取り組んでいくとしている。