【ニュース】 八戸市、約3万羽のウミネコが飛来する蕪島で「ウミネコの糞避け傘」を貸し出し、糞に当たると「会運証明書」を発行 青森県八戸市
2017.06.06
約3万羽のウミネコが飛来する八戸市の蕪島(かぶしま)では、毎年恒例となっているウミネコの糞避けのための傘の貸し出しと、糞に当たった人に「会運(かいうん)証明書」の発行を行っている。
蕪島には、今年も多くのウミネコが飛来。
5月中ごろからは、ウミネコの卵がふ化し始め、ウミネコの親子で賑わっている。
ウミネコの繁殖地として国の天然記念物に指定されている蕪島は、市街地の近くにありながら、ウミネコの繁殖を間近で観察できる国内唯一の場所。
蕪嶋神社の鳥居の赤、乱舞する白いウミネコと青空のコントラストの美しい光景は、八戸を代表する景勝地のひとつとなっており、多くの市民や観光客が訪れている。
現在、工事のため蕪島への立ち入りは規制されているが、休日など参拝客が多い時は不定期で規制を解除しており、頂上へ登ることが可能。
その際、参拝客で糞が気になる人には、ウミネコの糞避けの傘を貸し出しており、また、ウミネコの糞が当った場合(傘に当たった場合は除く)は、社務所に申し出ると、名前とその年の何番目の幸運者かを記載した「会運証明書」を発行しているという。
2011年3月に発生した東日本大震災では、八戸市も震度5強の大きな揺れと津波が観測され、沿岸を中心に甚大な被害を受けた。
太平洋に面した蕪島でも津波による浸水深が最大で5.3mに達し、島を囲むフェンスが破壊されたほか、周辺では公衆トイレが津波に流されるなどの被害があったという。
さらに、震災復興へ向けて休憩所の建設など蕪島周辺の整備を進めているさなか、2015年11月には、蕪島の頂上に建つ蕪嶋神社で火災が発生し、それにより社殿を焼失するという出来事が発生。
災難が続くなか、同市では東日本大震災からの復興を図るとともに、三陸復興国立公園種差海岸(たねさしかいがん)の北の玄関口にふさわしい空間を創出するため、蕪島周辺の整備を進めている。
蕪島を起終点とする「みちのく潮風トレイル」を歩くハイカーや蕪島の風景を眺めながら休憩する市民が気持ちよく利用できるよう芝生に覆われた緩やかな起伏の築山を配置し、園路やウッドデッキを整備しているという。
一方民間では、神社関係者や地元関係者からなる蕪嶋神社再建実行委員会が組織され、神社の再建に向けた動きも活発化。
2016年11月には、再建工事に着手した。
傘の貸出料金は無料、貸出場所は蕪嶋神社鳥居付近。
「会運証明書」の発行期間は通年(9時~16時まで)。
発行場所は蕪嶋神社社務所。
蕪島の所在地は青森県八戸市大字鮫町字鮫56-2、交通はJR八戸線「鮫」駅より徒歩15分、またはバス種差海岸遊覧バスうみねこ号「蕪島海浜公園」下車。