【ニュース】 ヤマト運輸など、北海道の路線バス4路線で宅急便を輸送する「客貨混載」を開始、路線バス網の維持などに貢献 北海道名寄市
2016.09.28
ヤマトホールディングス傘下のヤマト運輸株式会社(東京都中央区、長尾裕社長)と、名士バス株式会社(北海道名寄市、南原眞一社長)、士別軌道株式会社(北海道士別市、千葉繁夫社長)、十勝バス株式会社
(北海道帯広市、野村文吾社長)は、北海道の路線バス4路線(恩根内線・下川線・朝日線・帯広陸別線)で、約2ヶ月間の実証実験を終え、本格的な「客貨混載」を9月27日より開始した。
過疎化や高齢化が進む中山間地域でのバス路線網の維持と、物流の効率化による地域住民の生活サービス向上が目的。
同取り組みでは、宅急便を積載するために座席の一部を荷台スペースにした路線バスが、4路線の路線バスで運行し、宅急便を輸送する。
近年、全国の中山間地域等で過疎化や高齢化が進む中、北海道では過疎地域の割合が約80%に達しており、路線バスの乗員数も年々減
少。
高齢者の移動手段となるバス路線網の維持が課題となっている。
また、物流業界でも、トラックドライバーの労働力人口減少による物流網の維持が課題となっていた。
こうした課題を解決するため、平成28年7月より北海道運輸局主導のもと、4事業者(名士バス・士別軌道・十勝バス・ヤマト運輸)が「ひと・もの 協働輸送プロジェクト」を発足、道内の4路線で路線バスが荷物を輸送する「客貨混載」の実証実験を行った。
「客貨混載」によるメリットは、地域の利用客にとっては、地域のバス路線網が維持され、病院やスーパーなど多様な施設へアクセスでき、生活基盤の維持・向上につながる点。
バス会社(名士バス・士別軌道・十勝バス)にとっては、路線バスの空きスペースで宅急便を輸送することで、バス路線の生産性が向上し、新たな収入源を確保することができる。
ヤマト運輸にとっても、セールスドライバーが各地域(美深町・下川町・朝日町・陸別町)に滞在できる時間が増えるため、利用客からの要望に対し、柔軟に応えられるようになるという。
さらに、トラックの走行距離が1日約60km削減されることで、CO2排出量の低減にもつながるとしている。