【編集部取材】 市川市、地域ブランド「市川のなし」のPRイベント開催に先立ち、メディア向けの試食会を「まるごとにっぽん」で開催 千葉県市川市
2016.08.25
市川市などは、地域ブランド「市川のなし」のPRイベント「いちかわ農産物フェア in TOKYO Solamachi」を、8月27日に「東京ソラマチ」(東京都墨田区)で開催する。
これに先立ち、同市は8月24日、メディア向けの試食会を「まるごとにっぽん」(東京都台東区)で開催した。
千葉県は全国一の梨の生産地。
中でも市川市は、市町村別産出額が県内第1位となっている。
同市での梨栽培の歴史は古く、200年ほど前の江戸時代から、市内各所で栽培されてきた。
また同市で栽培される梨は、その知名度や歴史などが総合的に評価され、平成19年8月に特許庁の地域団体商標登録「市川のなし」として地域ブランドの認証を受けている。
8月24日に開催されたメディア向けの試食会では、大久保市川市長や生産者、加工メーカー関係者が登壇し、同市の梨の魅力をアピール。
同市のご当地アイドル「市川乙女(いちかわおとめ)」も参加、会場を盛り上げた。
また、同市内にキャンパスのある和洋女子大学の学生も、同市の梨を活用した料理などについて発表した。
この日、試食で提供されたのは、「幸水」「豊水」「秋麗」「石井早生」の4種類の和梨。
このうち、「石井早生」は大正5年に同市在住の石井兼吉氏により生み出された品種で、現在は栽培されていないが、石井氏の子孫が保存樹を管理していることから、貴重な味として振る舞われた。
同市内の梨農園は約230ヶ所。
このうち約130ヶ所では直売所を設置、現地で直接梨を販売している。
なお現況では、生産と出荷だけで手一杯ということだが、一部では梨のもぎとりイベントなどの計画もあるという。
またこの日は、同市の梨を活用した和菓子や飲料など、加工食品も提供された。
地方では1次産業を起点に6次化が進む中、首都圏内に位置し、一定の人口規模を有する同市では、1次産業の6次化ではなく、「農商工連携」で梨のブランド化に取り組む。
梨を活用した2次産業・3次産業は、市内にある食品メーカーや和菓子店などがその担い手だ。
ただ、水分を多く含み、洋梨に比べ香りの弱い和梨は、素材として大量に使用しない限り、その風味が伝わりにくいなど、商品化の過程で課題も抱えているという。
試食会で提供された加工食品は、既に完成形に近い商品もあったが、全体的には発展途上の印象が強かった。
なお同市では1年半後に、「道の駅」がオープンする予定。
「道の駅」では、「市川のなし」を目玉にしたい意向だという。
「いちかわ農産物フェア in TOKYO Solamachi」の開催日時は8月27日の11時~14時。
会場は東京スカイツリータウン(R)1階ソラマチひろば(東京都墨田区押上1丁目1-2)。
実施内容は、梨の無料配布、トークショー、ゆるキャラ撮影会など。