【ニュース】 川本建築設計事務所、幼稚園園舎では全国的にも珍しい木造耐火建築物の園舎を実現 広島県府中町

2015.09.07
株式会社川本建築設計事務所(広島県廿日市、八納啓造社長)は、「りゅうせん幼稚園」(広島県府中町)で、日本の幼稚園・保育園施設ではほぼ類を見ない「木造2階建て耐火建築物」の園舎を竣工した。

幼稚園園舎では、2階建てになると耐火建築物にすることが必須となるため、殆どの2階建て園舎は鉄骨や鉄筋コンクリート造の耐火建築物となっている。

今回採用した木造耐火構造は、一般社団法人日本木造住宅産業協会の大臣認定工法。
2015年3月時点で、幼稚園施設で木造耐火を採用した事例はまだな
く、全国的にもほぼ類を見ない事例だという。
20150907川本建築設計

また、同園舎では、木造の特性を生かした「高断熱・高気密」工法を採用し、次世代省エネルギー基準の約1.8倍の省エネルギー性能を持たせた。
これも、幼稚園・保育園施設の省エネルギー性能として、全国的に類を見ないとしている。

同社によると、2015年夏現在、対2年前比で、鉄筋コンクリート造の建設費は約1.3~1.5倍、鉄骨造の建設費は1.3倍~1.4倍に高騰。
一方、木造は地産池消ということもあり、建設費は1.1倍~1.15倍程度で推移している。
そのため、鉄筋コンクリート造や鉄骨造の施設の入札が不調に終わるケースが増えており、木造による施設建設にも注目が集まっているという。

竣工した同幼稚園には、広島県・山口県の幼稚園・保育園関係者36法人合計60名が視察に訪れた。
視察者からは、「屋内の温度湿度ともとても快適に感じる」「木の香りがして気持ちがいい」「月々3万円光熱費が下がっているのはとても魅力的」「現在計画中の施設が予算オーバーしそうなので、木造を活用する方法が知れてよかった」といった感想が寄せられたという。