【ニュース】 岩手県北自動車とヤマト運輸、盛岡市と宮古市を結ぶ「都市間路線バス」などで宅急便を輸送する「貨客混載」を開始 岩手県盛岡市
2015.06.04
岩手県北自動車株式会社(岩手県盛岡市、松本順社長)とヤマト運輸株式会社(東京都中央区、長尾裕社長)は6月3日、路線バスで宅急便を輸送する「貨客混載」を開始した。
バス路線の生産性向上による路線網の維持と、物流の効率化による物流網の維持が主な目的。
「貨客混載」を開始する路線バスは、盛岡市と宮古市を結ぶ「都市間路線バス」と、宮古市内から同市重茂半島を結ぶ一般路線バス。
後部座席を荷台スペースにした開発車両で運行する。
全国各地の中山間地域等で高齢化や過疎化が進む中、同県でも通院や買い物などに利用する路線バスなどの公共交通ネットワークの重要性が高まっているが、乗客数の減少などから路線網の維持が困難になるケースが増加。
一方の物流業界でも、長距離トラックのドライバー不足などから物流網の維持が困難になるケースが増えてきており、物流網を維持するための物流の効率化が課題となっている。
こうした中、岩手県北バスは、岩手県北エリアを中心とした広域のバス路線網を展開しており、自治体と緊密に連携を図りながら、効率的で長期持続可能な公共交通体系の構築に向けて取り組んできた。
一方ヤマト運輸は、全国各地の企業や自治体と連携し、「見守り」や「買い物支援」などのサービスを提供するプロジェクトを推進しており、同県でも高齢者の見守りと買い物支援を組み合わせた「まごころ宅急便」を展開している。
今回の両社の連携により、岩手県北バスはバス路線の生産性向上による路線網の維持を、ヤマト運輸は物流の効率化による物流網の維持を目指す。
新たに開発した「貨客混載」車両は、一定量の宅急便を積載できるように、車両後方の座席を減らして、荷台スペースを確保したもの。
荷台スペースには専用ボックスを搭載し、その中に宅急便を入れて輸送する。
なお盛岡市と宮古市を結ぶ「都市間路線バス」には、「ヒトものバス」と銘打ったラッピングを施したという。