【ニュース】 東松島市と積水ハウス、日本初となるマイクログリッドによる「東松島スマート防災エコタウン」を実現 宮城県東松島市
2015.03.09
東松島市(阿部秀保市長)と積水ハウス株式会社(大阪市北区、阿部俊則社長)はこのほど、災害公営住宅と周辺の病院等を結ぶマイクログリッドにより、電力を供給する本格的スマートタウンを実現すると発表した。
同スマートタウンは、同市が柳の目北地区で2015年8月入居を目指し、整備を進めているもの。
マイクログリッドとは、既存の発電所からの電力にほとんど依存しない、エネルギー供給源と消費施設をもつ小規模なエネルギー・ネットワーク。
同タウンでは、戸建住宅を含め、敷地を超えてエネルギー相互融通を行う日本初のスマートグリッド(スマートメーター等の通信・制御機能を活用して停電防止や送電調整のほか多様な電力契約の実現を可能にした電力網)を実現するという。
東松島市は現在、東日本大震災からの復興計画で、安心して暮らせる災害に強いまちづくりや「環境未来都市」構想を掲げ、復興に取り組んでいる。
一方、積水ハウスでは環境配慮型住宅「グリーンファースト」や、これらが集まったまち「スマートコモンシティ」などの取り組みを推進してきた。
「東松島スマート防災エコタウン」では、災害公営住宅85戸(戸建住宅70戸、集合住宅15戸)と周辺の病院、公共施設等を結ぶ自営線によるマイクログリッドを構築し、太陽光発電470kWを持つ自営線特定規模電気事業者(自営線PPS)が、CEMS(Community Energy Management System)により、最適制御しながら電力供給を行う。
自営線PPSとは、自ら敷設した電線で電力供給する一般電気事業者(10電力)以外の電気事業者。
太陽光発電で年間256t-CO2の二酸化炭素排出を削減し、エリア内でのエネルギーの地産地消を実現する。
不足する電力は、東松島市内にある低炭素型電源から既存電力網を利用して供給することで、地域全体の地産地消も可能になるという。
また、系統電力が遮断した場合にも、同タウン系統内の太陽光発電で蓄電池を安定化させ、大型のバイオディーゼル発電機と組み合わせることで3日間は通常の電力供給を可能とした。
大震災のような長期の停電時にも、太陽光発電と蓄電池を組み合わせることで、病院や集会所などへの最低限の電力供給の継続が可能になるとしている。
「東松島スマート防災エコタウン」の事業主は東松島市、建物の設計・施工は積水ハウス。
計画戸数は85戸、計画人口は247人。
住宅用地は約1.6ha、公園・緑地は約0.2ha、防砂調整池・水路は約0.9ha、その他約0.1ha、道路約1.4km。