【ニュース】 松永陶器店、福島・大堀相馬焼の「松永窯」落成式を4月26日に開催、浪江から西郷へ、震災・原発事故の苦難を乗り越え再建 福島県西郷村

2014.04.23
伝統的工芸品「大堀相馬焼」の窯元のひとつ「松永窯」の運営を手掛ける松永陶器店(栃木県那須町、松永和夫窯主)はこのほど、福島県浪江町から150km離れた福島県西郷村で工房を再建、4月26日に落成式を開催する。
松永窯は浪江町で1968年に創業し、長い間地域住民に愛されて育ってきたが、東日本大震災による原発事故で廃業に追い込まれた。
窯元すべてが強制退去を余儀なくされたが、翌年には二本松市の共同窯で作陶を開始。
震災から3年経ち、「デザイン」と「グローバル」を軸に、大堀相馬焼は、西郷村で再び大きく立ち上がろうとしている。
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大堀相馬焼は、浪江町(旧大堀村)一円で生産される焼き物。
亀裂の入った青ひび、走り駒という馬の絵、二重焼き構造という特徴を持ち、北国東北ならではの風土に育まれた民窯として長く親しまれてきた。
近年は、これまでの伝統的な青磁色ではなく、ピンク色に焼き上げることで新しいチャレンジを見せた八重セレクション受賞作品「SAKURA MUG」や、デザイナー10人による縁起物ブランド「KACHI-UMA」なども製造。
伝統に囚われず、被災地から新しいチャレンジを行い、フランス・パリの世界的展示会「メゾン・エ・オブジェ」に出展した際にも、高い評価を得たという。
今後は浪江町で培われた伝統や技術・文化を大事にしつつ、それをベースに現代のライフスタイルに合った、新しい価値を西郷村という地で作っていくとしている。
「大堀相馬焼 松永窯 落成式」の開催日時は4月26日10時~。
開催場所は「大堀相馬焼 松永窯」(福島県西白河郡西郷村小田倉字小田倉原1-31)、交通はJR「新白河駅」西口よりタクシーで5分。