【編集部取材】 横浜駅より徒歩5分、築50年の旅館を活用、旬の鮮魚と「舞台装置」で地域密着の居酒屋「三代目魚河岸 青木鮮魚店鶴屋町店」 神奈川県横浜市

2016.02.12
巨大ターミナル「横浜」駅西口より徒歩5分、歓楽街の表通りからやや奥まった一画に、一風変わったネーミングの居酒屋「三代目魚河岸 青木鮮魚店鶴屋町店」がある。
オープンは2015年9月。
店の名称は、横浜卸売市場より毎朝仕入れた「旬の鮮魚」をそのまま体現したものだ。

仕掛け人は、横浜エリアで「ワインバル青木酒店」などのローカル人気店5店舗をドミナント展開する株式会社アサヒビヤーレストラン(横浜市神奈川区、青木康真代表)。
店名のとおり、「旬の鮮魚」をふんだんに活かした料理と、30種類の日本酒などを提供する。

この日は17時の開店と同時に訪れたが、サラリーマンやOL風の予約客が三々五々集まりはじめ、19時前には2階席がほぼ埋まった。
クチコミによる来店やリピーターの紹介など、横浜駅周辺に勤務する客層が中心だ。
20160212青木鮮魚店 (2)

この店では、料理もさることながら、まずその「舞台装置」に驚かされる。
表通りから一歩入った一画ながらも、建物2階の壁面部分に掲げられた大きな5枚の看板は演芸場のようでもあり、建物1階の窓に並べられた日本酒の一升瓶は各地の地酒をPRするショールームのようでもある。
入り口左手に置かれた木製の魚のオブジェも印象的だ。

そして一歩店内に入ると、建物の中央部分に、外観からは想像し難い大きな吹き抜けが現れる。
階段を上がった2階席からは、吹き抜けを介し1階部分を見下ろすことができるのだが、席の位置によっては1階の板場を垣間見ることもできる。
ちょっとした「遠目のライブキッチン」は、まるで演芸場の2階席から階下の舞台を覗き込んでいるかのような構図に見えた。
20160212青木鮮魚店
この建物、実は築50年の旅館を改築したものだ。
歴史を感じさせる柱や梁を可能な限り活かすことで、印象的な「舞台装置」が完成した。
地元密着型の店として、この街の古い建物を活かしたいという想いがあったという。

とある北海道のユースホステルを思い出した。
古い鰊番屋を活用したその建物は、この店同様、建物中央部分に大きな吹き抜けがあり、2階部分に配置された客室からは、同じく吹き抜けを介し1階の「ステージ」を望むことができる。
「魚」を介して人と空間が一体化する、という点でも、何か同じ臭いのようなものを感じた。

「三代目魚河岸 青木鮮魚店鶴屋町店の所在地は横浜市神奈川区鶴屋町1-7-7、交通はJR・東急・京急・相鉄・横浜市営地下鉄「横浜」駅より徒歩5分。
営業時間は月~金曜日が17時~23時30分、土曜日が16時30分~
23時30分、日・祝日が16時30分~23時(定休日は年末年始)。
坪数・客席数は60坪・100席、客単価は4,000円。