【ニュース】 両備ヘルシーケアと倉敷芸術科学大学がコラボ、高齢者施設の入居者が留学生の日本語の先生に 岡山県倉敷市

2016.08.24
大規模複合型介護事業者の株式会社両備ヘルシーケア(岡山市中区、松田久社長)と倉敷芸術科学大学(岡山県倉敷市、河野伊一郎学長)は、両者が共同して企画した「留学生プラチナ・サポート事業」の取り組みを開始する。
本格稼働は2017年度の予定。

同取り組みは、非漢字圏からの留学生に「漢字」に親しんでもらうため、高齢者施設の入居者が対面・対話形式で学習を支援するというもの。
今年4月~5月には試行を開始しており、6~8月に前期の試行を終了、成果等の検証と改善案を作成する。
同じく9月~2016年3月には後期の試行を終了し、再度、成果等の検証と改善案作成を行う。
2017年度の本格稼働時には、非漢字圏留学生の対象をベトナムからネパール、パキスタン等に拡大する予定だという。

倉敷芸術科学大学では、東アジア・東南アジアを中心に各国から留学生を受け入れてきたが、これまで大半を占めていた中国の留学生に加え、最近ではベトナム・ネパールなど非漢字圏からの留学生が増加。
非漢字圏留学生の急増に伴う日本語学習指導法の工夫・改善は、全国の日本語教育関係者に共通した喫緊の課題だという。
とりわけ漢字に対して苦手意識を持つ留学生が多く、普段から「漢字に親しみ、漢字を楽しむ機会」を増やすことが、漢字能力の向上に不可欠であるとの結論に達したとしている。

そこで両者は、漢字に接する機会を増やすため、高齢者に外部人材として活躍してもらう事業を企画。
高齢者施設を運営する両備ヘルシーケアでは、高齢者の生きがい創出にもなればと、全面的にボランティアとして協力をすることとした。

具体的には、運営する老人ホームにて入居者(高齢者)が留学生の漢字学習を中心とした日本語学習でSkypeを活用した対面・対話形式にて支援をする。
支援を行う高齢者は「プラチナ・サポーター」と呼称。
一億総活躍社会の政策動向や厚生労働省の「プラチナコミュニティ構
想」にも合致した取り組みだという。