【ニュース】 三菱マテリアル、北秋田市で66年ぶりに新たな水力発電所を2019年5月に着工、年間のCO2を約9,800t削減 秋田県北秋田市

2018.12.26
三菱マテリアル株式会社(東京都千代田区、小野直樹社長)は、秋田県北秋田市の小又川水系で、1953年(昭和28年)に完成した小又川第四発電所以来の新規水力発電所となる「小又川新発電所」を2019年5月に着工する。

水力発電は、CO2を出さない環境にやさしい発電方式だが、近年は再生可能エネルギーの利用が拡大していく一方で、河川から水を直接引き込んで発電する流れ込み式水力発電所の建設は、水資源の確保や採算性等の理由から少なくなっているという。

新発電所の完成は2022年12月の予定。
同発電所の完成により、小又川水系の発電能力は2,860kW、年間発電量は約1万3,400MWhの増加となり、河川環境を保全しながら、小又川水系の水力を利用した再生可能エネルギー電力を長期安定的に供給することで、効率的な水資源の活用が実現できるとしている。

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同社は、再生可能エネルギー固定価格制度(FIT)の施行を機に、森吉ダムを中心とした小又川水系で営業運転中の小又川第一・第二・第四発電所の効率的運用による電源増加策と、小又川第一・第二発電所の経年対策について検討を進めてきた。

その結果、森吉ダム直下の小又川第四発電所の放流口から直接取水し、ずい道により約8.5km下流に水を導き、有効落差約90mを確保、1万326kWを発電をする新発電所の建設を計画し、FIT認定を受けている。
新発電所の建設に併せ、河川環境保全と維持のために正常流量の放流も設定。
これに伴い、小又川第一・第二発電所については今後の維持管理費用増加も踏まえ、新発電所の完成を機にその役目を終えるとしている。

新発電所操業による年間のCO2削減量はおよそ9,800t。
40年生のスギ人工林約1,100ha分のCO2吸収量に相当する。

また、周囲の環境に与える影響については自主環境アセスメントを行っており、その結果や行政の指導等を踏まえ、環境に配慮しながら工事を実施するという。

小又川新発電所の所在地は秋田県北秋田市森吉字桐内沢外30国有林1048林班イ小班地先(米代川水系阿仁川支川小又川)。
最大出力は1万326kW(水車容量5,339kW×2台)、年間発電量は約4万8,500MWh。
着工予定は2019年5月、竣工予定は2022年12月。