【ニュース】 東武鉄道、C11形蒸気機関車の動態保存を目的とした復元に着手、大手私鉄では初 栃木県日光市

2018.11.09
東武鉄道株式会社(東京都墨田区、根津嘉澄社長)は、C11形蒸気機関車の動態保存を目的とした復元に着手する。
復元予定機は、日本鉄道保存協会(事務局:東京都千代田区)が静態保存していたもの。
大手私鉄が蒸気機関車を動態保存用として復元するのは今回が初めて。

同社では、全国の鉄道会社からの支援と協力を得て、2017年8月
10日より、東武鬼怒川線(栃木県日光市)で約半世紀ぶりにSLの復活運転を実施。
事業の目的の1つに「鉄道産業文化遺産の保存と活用」を掲げている。

今回復元予定のC11形蒸気機関車は、1947(昭和22)年に江若(こうじゃく)鉄道(滋賀県)の発注により、日本車輌製造が製造。
江若鉄道で客車を牽引したのち、1957(昭和32)年からは雄別炭礦(ゆうべつたんこう)鉄道(北海道)、1970(昭和45)年からは釧路開発埠頭(北海道)で貨物列車を牽引して活躍。
1975(昭和50)年廃車後、静態保存されていた。

復元が完了した際には、現在東武鬼怒川線で「SL大樹」として運転している蒸気機関車「C11 207」(現行機)と合わせて2機体制となる。
現行機の長期検査時などの際には、復元予定機を運転することで、日光・鬼怒川エリアでの年間を通してのSL安定運転が可能になるほか、他線区でのイベント運転等も検討可能になるという。

復元予定日は2020年冬。
復元作業実施場所は南栗橋SL検修庫(埼玉県久喜市)。