【ニュース】 フージャースホールディングスと立命館大学、京都市指定有形文化財長江家住宅主屋「北棟」で復原修復工事を完成、明治初期から大正期の状態に復原 京都府京都市

2018.05.18
株式会社フージャースホールディングス(東京都千代田区、廣岡哲也社長)と立命館大学(京都市北区、吉田美喜夫学長)は、同社グループが所有する京都市指定有形文化財長江家住宅主屋「北棟」で復原修復工事を完成、完成披露の会と内覧会を5月24日に開催する。

同復元修復工事は、昭和50年代に内装改変されたものを改変以前の姿に戻すもの。
2017年8月より工事を開始していた。

同社グループは、事業を通じた文化物の承継及び地域社会への貢献を念頭に、2015年5月に同建物を取得。
京都市が推進する景観的・文化的価値を有する京町家等の歴史的建築物の保存活用を図るため、これまで継続的に京町家や祇園祭船鉾、長江家住宅に関する調査研究を行ってきた同大学と連携協定を締結している。

民間事業者の同社グループと、教育・研究機関の同大学が連携、京都の歴史・文化を象徴する京町家を保全・活用し、公的機関の京都市・公益財団法人京都市景観・まちづくりセンターがサポートするという、産官学連携モデルの先進事例として、これまでにない取り組みを進めてきた。

今回の工事では、居室やトオリニワ等、昭和後期に内装改変された部分を(おおよそ明治初期から大正期の状態に)全て復原。

なお同建物は、京都市が昨年4月より、標準的な規模の京町家について建築基準法を適用除外する際の技術的基準(建築審査会の包括同意基準)を運用することになったことを受け、この基準を利用する第1号事例となった。
建物全体の工事では、京都市指定有形文化財としては2例目、京町家では初めてとなる。

今後は、長江家住宅で開催される文化行事等に活用するほか、現在、工事に伴う長江家文書の史料調査、痕跡調査・発掘調査による復原内容の検討、立命館大学映像学部と理工学部による全工程の記録調査も行われているという。