【ニュース】 フージャースホールディングスと立命館大学、京都市指定有形文化財・京町家で初事例となる京都市指定有形文化財長江家住宅主屋「北棟」の復原修復工事を開始 京都府京都市

2017.08.23
株式会社フージャースホールディングスと立命館大学は、同社グループが所有する京都市指定有形文化財長江家住宅主屋「北棟」(京都市下京区)で、昭和50年代に内装改変されたものを改変以前の姿に戻す復原修復工事を開始、明治から昭和期の町家の使い方や創建当時の姿を解明する記録調査を実施する。
また、工事に先駆け、工事の無事等を祈るご祈祷祭を8月26日に開催する。

同社グループでは、事業を通じた文化物の承継及び地域社会への貢献を念頭に、平成27年5月に同建物を取得。
京都市が推進する景観的・文化的価値を有する京町家等の歴史的建築物の保存活用を図るため、これまで継続的に京町家や祇園祭船鉾、長江家住宅に関する調査研究を行ってきた立命館大学と連携協定し、京町家を保全・活用する産学連携に取り組んできた。

同工事は、居室やトオリニワ等、昭和後期に内装改変された部分を全て復原するもの。
京都市が今年4月より、標準的な規模の京町家について建築基準法を適用除外する際の技術的基準(建築審査会の包括同意基準)を運用することになったことを受け、同基準を利用する第一号事例となる。
また、建物全体の工事では京都市指定有形文化財で2例目、京町家では初めてとなる。

改装後は、長江家住宅で開催される文化行事等に活用できる施設となる予定。
また、同工事の全工程では、立命館大学の映像学部と理工学部によって記録調査が行われ、京町家の建築構造の調査や保存活用の参考となるデータ取得を目指す。
工事の完了は平成30年5月を予定。

長江家住宅主屋北棟(京都市指定有形文化財)の所在地は京都市下京区新町通綾小路下る船鉾町394、394-1、396。
建築年代は慶応4年(1868年)。
構造規模は木造2階建て。
延べ面積は124.96㎡。