【ニュース】 クジラなど6社、クラウドホテル「SEKAI HOTEL」を6月15日にオープン、複数の空き家を活用し町全体にホテルの機能 大阪府大阪市

2017.06.13
中古住宅のリノベーションなどを手掛けるクジラ株式会社(大阪市北区、矢野浩一代表)は、大阪府下のベンチャーなど数社と、大阪市此花区西九条一丁目地区の中古住宅や中古テナントの一部をリノベーションによって再整備し、訪日外国人観光客や国内観光客向けに宿泊施設や様々なアクティビティを提供する「SEKAI HOTEL」のサービスを6月15日より開始する。

「SEKAI HOTEL」が位置する此花区西九条地区は、USJに隣接した地域で交通の利便性も高く、関西観光の拠点として高いポテンシャルを有する場所。
しかし、このエリアは連棟住宅(長屋)や再建築不可の中古住宅が多くまとまっており、用地取得が困難なため、これまで大手ゼネコンやデベロッパー、行政による大規模な再開発が進められていない状態だったという。

こうした中、同社をはじめとした小回りの利くベンチャーチームは、スクラップアンドビルド方式ではなく、主にリノベーションによって小規模でスピーディ、かつ持続的に町の再整備を進めることができると判断。
「SEKAI HOTEL」では、「クラウドホテル」構想を掲げ、従来ホテルが持っていた「フロント」「宿泊」「飲食」「物販」「アクティビティ」などの機能を、一つの大規模な建物の中に納めるのではなく、点在する空き家を再活用しながら、町全体にホテルとしての機能を持たせるという、新しい発想に基づいている。
20170613 SEKAI HOTEL

同サービスのコンセプトは「Little Japan × No Border」。
外国人観光客が異文化(=日本)を直截的に体感できるよう、客室やフロントなどの空間、物販やアクティビティについて、グラフィックデザインなどで工夫を施すという(Little Japan)。
また、様々な市民に雇用の門戸を開くことで、宿泊料金の一部を地域社会の課題解決や途上国支援に活用していくとしている(No
Border)。

公式サイトは6月12日に開設、6月15日より、エリア内にフロント、客室(6室、4名~10名対応、最大収容人数32名、年内に8室まで拡大)をオープンする。
フロントでは観光ガイドサービス、「SEKAI HOTEL」ブランドによるグッズ販売も行う。

2018年以降は、近隣飲食店(誘致を含む)との連携も開始し、障害者就労継続支援A型事業所開設によるグッズ制作、客室清掃メンテナンスなどの人材雇用を開始する。
また、将来的には西九条エリアの人たちが「SEKAI HOTEL」を運営し続けられるモデルを目標に、事業を推進するという。

なお、スタート時点での参加企業と主な役割は、クジラが不動産・建築・インテリアデザイン、株式会社Otomariが民泊業・旅館業、株式会社サイバーポートがグラフィックデザイン、Chinese
Language Schoolが語学教室、フォーカスクライド法律事務所が法務・労務、特定非営利活動法人ARCOが障害者就労支援。

なお、宿泊施設については、大阪市の特区制度による民泊施設や、旅館業法の簡易宿所などとして営業するとしている。