【ニュース】 昭和31年竣工・日本初の民間分譲マンション「四谷コーポラス」の建替え決議で全員が合意、再建マンションは2019年完成予定 東京都新宿区

2017.05.31
日本初の民間分譲マンションとされている「四谷コーポラス」(東京都新宿区)は、管理組合による建替え決議が今年3月25日に成立、5月に全員が合意した。
9月に解体工事に着手、旭化成不動産レジデンス株式会社(東京都新宿区、池谷義明社長)が事業協力者として参画し、2019年の再建マンション完成を目指す。

「四谷コーポラス」は、1956年竣工の築61年を迎える集合住宅で、「日本で初めて民間企業が販売した分譲マンション」とされる建物。
1962年の区分所有法施行以前の建物で、所有形態の位置づけや共用部の管理責任などが明確ではなかった時代に初めて民間企業による運営管理が行われ、また、住宅ローンが現在のように一般的でない中、割賦販売が導入されるなど、その後広く行われているマンション販売の先駆けとなった建物だという。
20170531四谷コーポラス

再生計画では、長期にわたる管理組合活動のもと、建替え・大規模修繕等の検討会が2006年にスタート。
その後、東日本大震災をきっかけに耐震性能への不安が顕著化し、建物の高経年化に伴う給排水管の老朽化などの理由から建替えを中心に検討することとなり、決議が成立した。
分譲当時の購入者が長く所有し、その後転売することなく相続されてきたケースが半数以上あり、昔から繋がる住民同士の関係も健在で活発な管理組合活動が維持されてきたため、比較的短期間での建替え決議が可能になったとしている。

今回の建替えの特徴は、敷地規模の限られた小規模マンションの建替えで、床面積が大きく増えないにも関わらず、至便な立地や住まいへの愛着から、区分所有者の大半が再建後のマンションを再取得することを前提に計画されること。
建物計画では、住宅メーカーが創るマンションという強みを活かし、再取得住戸については権利者それぞれの想いや要望に丁寧に応えるオーダーメイドの住戸プランニングを予定しているという。